超音波診断装置による注射針の長さと薬液拡散状態
「はじめに」筋肉注射は看護師が実施することが多い手技であり1), 薬剤の投与量や性状, 血管や神経損傷予防からの安全面と疼痛などを考慮し, 中殿筋を選択するのが適切と考えられる9). 多くの看護師は, 筋肉注射に23G(長さ32mm)注射針を使用し針長の2/3~1/2挿入している5). 本邦の中殿筋部位における皮脂厚に関する報告6, 8, 10)には, ばらつきがみられる. また, 実際に薬剤が確実に筋肉内に投与されたかどうかを明らかにした研究はない. 以上のことから, 筋肉内に確実に投与するために殿部の皮脂厚などを測定し, 患者に応じた注射針刺入の長さや角度を判断する必要がある. また, 筋...
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Published in | Neurosonology Vol. 25; no. 2; pp. 91 - 94 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本脳神経超音波学会
31.01.2013
日本脳神経超音波学会 |
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Summary: | 「はじめに」筋肉注射は看護師が実施することが多い手技であり1), 薬剤の投与量や性状, 血管や神経損傷予防からの安全面と疼痛などを考慮し, 中殿筋を選択するのが適切と考えられる9). 多くの看護師は, 筋肉注射に23G(長さ32mm)注射針を使用し針長の2/3~1/2挿入している5). 本邦の中殿筋部位における皮脂厚に関する報告6, 8, 10)には, ばらつきがみられる. また, 実際に薬剤が確実に筋肉内に投与されたかどうかを明らかにした研究はない. 以上のことから, 筋肉内に確実に投与するために殿部の皮脂厚などを測定し, 患者に応じた注射針刺入の長さや角度を判断する必要がある. また, 筋肉注射時に薬液が確実に中殿筋へ注入されたかどうかを検証することが求められる. そこで本報告では, リスペリドン持効性注射剤(以下risperidone long-acting injectable: RLAI)を継続的に筋肉注射している患者を対象に, 超音波診断法を用いて中殿筋までの距離, および薬剤拡散の状態について観察し測定したので, 考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0917-074X |
DOI: | 10.2301/neurosonology.25.91 |