座位行動の減少を促すアプローチは軽症脳梗塞患者の座位行動時間を減少させる:ランダム化比較試験

【はじめに,目的】軽症脳梗塞患者の再発予防の一つとして,身体活動量を向上することや座位行動(Sedentary Behavior SB)を減少することが推奨されている中高強度活動(Moderate to Vigorous Physical Activity MVPA)などの身体活動量を高めるアプローチのエビデンスはあるが,SBを減らすためのアプローチのエビデンスは十分ではない我々も軽症脳梗塞患者に対して身体活動量を高めるアプローチを行ったが,座位行動時間(SB Time SBT)は減少せず,SBを標的行動としたアプローチの必要性を示唆したまた,退院後のSBT を減少させるためには,行動変容アプ...

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Published inJapanese Society of physical therapy for prevention (supplement) Vol. 1.Suppl.No.1; p. 19
Main Authors 吉澤, 康平, 亀山, 裕斗, 芦澤, 遼太, 本田, 浩也, 大場, 慶宏, 中村, 和美, 吉本, 好延, 武, 昂樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本予防理学療法学会 01.12.2022
Japanese Society of physical therapy for prevention
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ISSN2758-7983
DOI10.57304/jsptpsuppl.1.Suppl.No.1.0_19

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Summary:【はじめに,目的】軽症脳梗塞患者の再発予防の一つとして,身体活動量を向上することや座位行動(Sedentary Behavior SB)を減少することが推奨されている中高強度活動(Moderate to Vigorous Physical Activity MVPA)などの身体活動量を高めるアプローチのエビデンスはあるが,SBを減らすためのアプローチのエビデンスは十分ではない我々も軽症脳梗塞患者に対して身体活動量を高めるアプローチを行ったが,座位行動時間(SB Time SBT)は減少せず,SBを標的行動としたアプローチの必要性を示唆したまた,退院後のSBT を減少させるためには,行動変容アプローチを入院中から退院後まで継続する必要が考えられるが,先行研究による検証は不十分である本研究の目的は,入院中から退院後まで行うSBの減少を促すアプローチが従来の身体活動量を高めるアプローチと比べて退院後の軽症脳梗塞患者のSBTを減少させるかどうかを明らかにすることであった【方法】研究デザインはランダム化比較試験である脳梗塞により入院し,National Institute of Health Stroke Scale 5点未満かつMini-Mental State Examination24点以上の61名(年齢71.3±8.3歳,男性40名)を対象とし,介入群(SBの減少を促すアプローチ)と対照群(従来の身体活動量を高めるアプローチ)に割付した介入群には,入院中にSBの減少を促す教育と退院後のSBTの目標設定,SBTと歩数のセルフモニタリングを行い,退院後にSBTと歩数のセルフモニタリング,SBTを減らすことに関するステッカーの送付,電話による促しとフィードバックを行った対照群には,入院中のみ身体活動量を増やすための教育と歩数のセルフモニタリングを行った主要評価項目であるSBTは,オムロン活動量計Active style Pro HJA-750Cを使用し入院中から退院3か月後まで測定した活動量計の装着時間における1.5METs 以下の活動時間の割合をSBT(%)とした入院中の介入前をベースラインとし,退院3か月後に評価を行い,1週間の平均値を採用した副次評価項目は,MVPAと低強度活動(METs・時),歩数,スクリーンタイム,身体活動自己効力感,Geriatric Depression Scale15,The Japanese version of the Pittsburgh Sleep Quality Indexとした2群間の比較として対応のないt検定とMann-Whitney U testを行い,効果量(d)も求めた有意水準は5%とした【結果】完遂者は両群ともに26名で計52名(85.2%)であった介入群は対照群と比べて,退院3か月後のSBTが有意に短く(介入群48.6%,対照群57.5%,p=0.009,d=0.76),MVPA,歩数が有意に多かった(MVPA 介入群5.7METs・時,対照群4.1METs・時,p=0.018,d=0.68歩数介入群7590.0歩,対照群5763.8歩,p=0.042,d=0.58)【結論】入院中から退院後まで継続したSBの減少を促すアプローチが軽症脳梗塞患者のSBTを減少させることが示唆された【倫理的配慮、説明と同意】本研究は,聖隷三方原病院,聖隷クリストファー大学の倫理委員会の承認を得て実施した(研究番号第19-46,認証番号19057)また,University hospital Medical Information Network(UMIN)に事前に登録した(登録番号UMIN000038616)対象者には,研究責任者が書面および口頭にて研究に関する説明と依頼を行った上で,本研究への参加に関する同意を書面で得て実施した対象者には,本研究への参加は自由意志であり,いつでも参加同意の撤回が可能であること,参加に同意されない場合や中断された場合にも不利益が生じないこと,本研究で知り得た個人情報は厳重に守られること,研究結果は特定の個人が識別できないよう処理された結果のみ公表することなどを説明した
ISSN:2758-7983
DOI:10.57304/jsptpsuppl.1.Suppl.No.1.0_19