臨床検査技師を含む多職種連携による院内肝炎ウイルス検査陽性者受診勧奨の取り組み

術前検査などで肝炎ウイルス検査を実施することが一般的となっている.陽性者に対する受診勧奨の施策として,電子カルテアラートシステムが普及しつつあるが,その効果は限定的との報告もある.当院では電子カルテアラートシステム導入に加え,2016年7月より非専門診療科毎の勉強会を実施,2019年7月より臨床検査技師を含む多職種連携による個別勧奨を実施してきたので,取り組みの効果を検証した.非専門診療科における陽性者への対応率は診療科毎の勉強会実施後上昇した.さらに多職種連携による個別勧奨後の対応率は92.0%と飛躍的に上昇した.受診勧奨を契機にB型肝炎20例で核酸アナログ製剤投与が,C型肝炎32例で直接型...

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Published in肝臓 Vol. 62; no. 8; pp. 448 - 455
Main Authors 石川, 剛, 山﨑, 隆弘, 増井, 美由紀, 松本, 俊彦, 日髙, 勲, 川野, 伶緒, 丸本, 芳雄, 藤永, 亜季, 大野, 高嗣, 久永, 拓郎, 高見, 太郎, 佐伯, 一成, 坂井田, 功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 01.08.2021
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.62.448

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Summary:術前検査などで肝炎ウイルス検査を実施することが一般的となっている.陽性者に対する受診勧奨の施策として,電子カルテアラートシステムが普及しつつあるが,その効果は限定的との報告もある.当院では電子カルテアラートシステム導入に加え,2016年7月より非専門診療科毎の勉強会を実施,2019年7月より臨床検査技師を含む多職種連携による個別勧奨を実施してきたので,取り組みの効果を検証した.非専門診療科における陽性者への対応率は診療科毎の勉強会実施後上昇した.さらに多職種連携による個別勧奨後の対応率は92.0%と飛躍的に上昇した.受診勧奨を契機にB型肝炎20例で核酸アナログ製剤投与が,C型肝炎32例で直接型抗ウイルス薬(DAA)治療が開始された.また,DAA治療症例の受診契機として,2017年以降,院内紹介の割合が増加していた.院内受診勧奨には診療科毎の勉強会や多職種連携による個別勧奨は有用である.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.62.448