体育授業における運動有能感と回避的態度との因果関係の推定

「I はじめに」小学校と中学校の体育科(文部科学省, 2018a, 2018b)では, 運動に親しむとともに健康の保持増進と体力の向上を目指し, 明るい生活を営む態度を養うことが目標として掲げられている. 生涯にわたって運動に親しむとは, それぞれの運動が有する特性や魅力に応じて, その楽しさや喜びを味わおうとする自主的な態度(文部科学省, 2018b)を指している. すなわち, 体育授業において教師は, 授業で取り上げられる運動に対して学習者自らが積極的に取り組めるよう動機づけることが重要であるといえる. 生涯にわたって運動を継続する態度を育成するためには, 1人1人の子どもの運動に対する有...

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Published in体育学研究 Vol. 67; pp. 897 - 914
Main Authors 當山, 貴弘, 中須賀, 巧, 杉山, 佳生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会 2022
日本体育・スポーツ・健康学会
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Summary:「I はじめに」小学校と中学校の体育科(文部科学省, 2018a, 2018b)では, 運動に親しむとともに健康の保持増進と体力の向上を目指し, 明るい生活を営む態度を養うことが目標として掲げられている. 生涯にわたって運動に親しむとは, それぞれの運動が有する特性や魅力に応じて, その楽しさや喜びを味わおうとする自主的な態度(文部科学省, 2018b)を指している. すなわち, 体育授業において教師は, 授業で取り上げられる運動に対して学習者自らが積極的に取り組めるよう動機づけることが重要であるといえる. 生涯にわたって運動を継続する態度を育成するためには, 1人1人の子どもの運動に対する有能感を高めることが重要である(岡澤, 2001). また体育授業において運動有能感を高めることは, 運動に親しむ資質や能力を身につけるための有効な手段(Ono and Kaji, 2020)とされている.
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.21089