鳥羽論文に対するEditorial Comment

急性心筋梗塞に対する再灌流療法が確立されて久しい. なかでも経皮的冠動脈形成術による, いわゆるprimary PCIは再灌流療法成功の基準であるTIMI3達成率が90%以上まで改善されている. 現在では, 再灌流療法の成功は当然であり, その質を評価するためにmyocardial blush scoreやcorrected TIMI flame countなどが提唱されている. その一方で, 現在でも再灌流療法が不成功に終わる症例が存在する. 血栓性病変は, primary PCIの黎明期より良好な再灌流を得ることが困難な病変の1つである. 1990年代後半からは, 血栓吸引術が行われるよう...

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Published inShinzo Vol. 42; no. 2; p. 221
Main Author 七里, 守
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2010
日本心臓財団
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.42.221

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Summary:急性心筋梗塞に対する再灌流療法が確立されて久しい. なかでも経皮的冠動脈形成術による, いわゆるprimary PCIは再灌流療法成功の基準であるTIMI3達成率が90%以上まで改善されている. 現在では, 再灌流療法の成功は当然であり, その質を評価するためにmyocardial blush scoreやcorrected TIMI flame countなどが提唱されている. その一方で, 現在でも再灌流療法が不成功に終わる症例が存在する. 血栓性病変は, primary PCIの黎明期より良好な再灌流を得ることが困難な病変の1つである. 1990年代後半からは, 血栓吸引術が行われるようになった. 血栓吸引術は, 手技的に容易であり, 急性心筋梗塞の予後を改善し得ることが報告されている1). 血栓吸引力は, 血栓吸引を行うカテーテル径に依存することから, 大量の血栓を処理するためには, 大口径のカテーテルを冠動脈内へ挿入することが必要である.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.42.221