下肢末梢血管に対するインターベンション

近年, 生活習慣の欧米化と高齢化社会により動脈硬化性疾患が増加の一途をたどっている. 下肢においても, 閉塞性血栓血管炎(バージャー病)と比較し末梢動脈病変(peripheral artery disease;PAD)罹患患者が急増している. PADは四肢主幹動脈の慢性的な動脈硬化性変化(狭窄もしくは閉塞)に伴い発症する疾患であり, 下肢の虚血により冷感・しびれ・間歇性跛行・安静時痛・足趾潰瘍や壊疽などの症状を呈する. 特に安静時痛や足趾潰瘍を合併する重症虚血肢(critical limb ischemia;CLI)症例では, 血行再建術を施行せず経過観察すると下肢および全身の予後は極めて悪い...

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Published inShinzo Vol. 42; no. 3; pp. 283 - 284
Main Author 南都, 伸介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2010
日本心臓財団
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.42.283

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Summary:近年, 生活習慣の欧米化と高齢化社会により動脈硬化性疾患が増加の一途をたどっている. 下肢においても, 閉塞性血栓血管炎(バージャー病)と比較し末梢動脈病変(peripheral artery disease;PAD)罹患患者が急増している. PADは四肢主幹動脈の慢性的な動脈硬化性変化(狭窄もしくは閉塞)に伴い発症する疾患であり, 下肢の虚血により冷感・しびれ・間歇性跛行・安静時痛・足趾潰瘍や壊疽などの症状を呈する. 特に安静時痛や足趾潰瘍を合併する重症虚血肢(critical limb ischemia;CLI)症例では, 血行再建術を施行せず経過観察すると下肢および全身の予後は極めて悪い(保存的加療のみでの1年経過は, 死亡30%・大切断25%・CLI持続20%・CLI回復25%). また下肢切断後患者ではADL・QOLは低下し, その結果予後も不良である. 大切断2年後での自立歩行可能な患者は40%のみで, 30%が死亡, 対側切断が15%と報告されている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.42.283