血管炎症候群による椎骨動脈病変に対するエコーを用いた検討

「はじめに」 全身血管炎は, 血管炎を主病変とする一次性血管炎と, 他疾患に血管炎を伴う二次性血管炎があり, 大血管炎の代表は高安動脈炎と側頭動脈炎である. いずれも頭頸部動脈への波及はよく知られているが, 高安動脈炎では鎖骨下動脈から総頸動脈が炎症の中心であるのに対し, 側頭動脈炎では側頭動脈が炎症の中心である. しかし, 他の頸部血管病変についてはあまり報告されていない. 今回われわれは, 椎骨動脈(vertebral artery ; VA)に着目し, 高安動脈炎および側頭動脈炎における, VAへの炎症の波及とその性状について頸部エコー検査を用いて検討したので報告する. 「対象と方法」...

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Published inNeurosonology Vol. 28; no. 2; pp. 41 - 44
Main Authors 高坂, 仁美, 濱口, 浩敏, 福住, 典子, 沖, 都麦, 今西, 孝充, 林, 伸英, 河野, 誠司, 苅田, 典生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 31.08.2015
日本脳神経超音波学会
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Summary:「はじめに」 全身血管炎は, 血管炎を主病変とする一次性血管炎と, 他疾患に血管炎を伴う二次性血管炎があり, 大血管炎の代表は高安動脈炎と側頭動脈炎である. いずれも頭頸部動脈への波及はよく知られているが, 高安動脈炎では鎖骨下動脈から総頸動脈が炎症の中心であるのに対し, 側頭動脈炎では側頭動脈が炎症の中心である. しかし, 他の頸部血管病変についてはあまり報告されていない. 今回われわれは, 椎骨動脈(vertebral artery ; VA)に着目し, 高安動脈炎および側頭動脈炎における, VAへの炎症の波及とその性状について頸部エコー検査を用いて検討したので報告する. 「対象と方法」 2005年6月から2014年12月まで臨床的に高安動脈炎および側頭動脈炎と診断した症例のうち, 頸部エコー検査を施行した高安動脈炎29例58血管(平均年齢41.4±17.6歳)および側頭動脈炎25例50血管(平均年齢74.5±7.2歳)を対象とした.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.28.41