上腕骨遠位骨幹部骨折術後偽関節をdual plateで治療した一例

【はじめに】上腕骨骨幹部骨折は比較的骨癒合しやすいが,一度偽関節を生じると治療に難渋することがある.今回我々は上腕骨遠位骨幹部骨折術後偽関節に対してdual plateによる再固定術を行い,骨癒合が得られた症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.【症例】58歳女性.身長168 cm,体重93 kg,BMI 32.9.自宅内で転倒し受傷,右上腕骨遠位骨幹部骨折の診断となり,髄内釘固定を行った.術後の固定性・整復位は比較的良好であったが,術後7週で回旋転位を認めた.術後1年3ヶ月で上腕骨遠位骨幹部骨折術後偽関節の診断となり,抜釘+自家骨移植+dual plate固定を行った.再手術後4...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 4; pp. 888 - 891
Main Authors 安岡, 寛理, 中原, 潤之輔, 松下, 任彦, 的場, 啓五, 浦田, 泰弘, 吉村, 優里奈, 平畑, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2024
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.73.888

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Summary:【はじめに】上腕骨骨幹部骨折は比較的骨癒合しやすいが,一度偽関節を生じると治療に難渋することがある.今回我々は上腕骨遠位骨幹部骨折術後偽関節に対してdual plateによる再固定術を行い,骨癒合が得られた症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.【症例】58歳女性.身長168 cm,体重93 kg,BMI 32.9.自宅内で転倒し受傷,右上腕骨遠位骨幹部骨折の診断となり,髄内釘固定を行った.術後の固定性・整復位は比較的良好であったが,術後7週で回旋転位を認めた.術後1年3ヶ月で上腕骨遠位骨幹部骨折術後偽関節の診断となり,抜釘+自家骨移植+dual plate固定を行った.再手術後4ヶ月で骨癒合を得た.【考察】上腕骨骨幹部骨折術後偽関節の治療としてプレート固定は成績良好であり,さらにダブルプレートはシングルプレートと比較して回旋方向に1.83-2.39倍の強度を示すため,上腕骨骨幹部骨折術後偽関節に対する治療としてdual plateによる固定は有用と考えられる.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.73.888