C型肝炎ウイルス排除後の定期通院を中断した患者への受診勧奨の有用性
当院では2014年から2019年までに428例のC型肝炎に対して直接作用型抗ウイルス薬(DAA)治療を施行し,400例(93.5%)でウイルス学的著効(SVR)を得た.SVR後も画像検査による肝細胞癌(HCC)スクリーニングを継続すべき所44例(11%)で継続されておらず,その内で肝炎医療コーディネーターによって呼び出し再診となった20例から3例がHCCと診断された.各々肝動脈化学塞栓療法(TACE)+重粒子線治療,経皮的ラジオ波焼灼術(RFA),TACE+RFAにて治療しcomplete remission(CR)を得た.DAAにより高率なSVRを得てもHCCは発症し発見が遅れれば治療困難と...
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Published in | 肝臓 Vol. 62; no. 11; pp. 703 - 711 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
01.11.2021
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.62.703 |
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Summary: | 当院では2014年から2019年までに428例のC型肝炎に対して直接作用型抗ウイルス薬(DAA)治療を施行し,400例(93.5%)でウイルス学的著効(SVR)を得た.SVR後も画像検査による肝細胞癌(HCC)スクリーニングを継続すべき所44例(11%)で継続されておらず,その内で肝炎医療コーディネーターによって呼び出し再診となった20例から3例がHCCと診断された.各々肝動脈化学塞栓療法(TACE)+重粒子線治療,経皮的ラジオ波焼灼術(RFA),TACE+RFAにて治療しcomplete remission(CR)を得た.DAAにより高率なSVRを得てもHCCは発症し発見が遅れれば治療困難となる.SVR患者こそ放置せず,HCC高危険群として定期受診を継続し中断例は拾い上げて定期受診を勧奨することで肝癌死をさらに減少させることが可能である. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.62.703 |