B-flowを用いた頸動脈プラーク内血流の観察と臨床的意義の検討

「目的」頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術の手術適応は, 欧米での臨床試験の結果から, 狭窄病変による症候の有無と狭窄率で判断されてきた. そして, 同病変への頸動脈ステント留置術に際しても同じ基準で手術適応が決められることが多いが, time of flight法MRAの高信号プラークでは周術期の脳塞栓合併症リスクが高いことが指摘された. また, 手術適応のない軽度狭窄例でも脳梗塞を発症ないし再発する病変があることにより, プラーク容積を含めた狭窄病変の性状評価の重要性が指摘された. つまり, 従来からの症候の有無と狭窄率に加えて, MRI-T1高信号や潰瘍形成, 陽性リモデリング, 可動...

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Published inNeurosonology Vol. 33; no. 1; pp. 3 - 8
Main Authors 伊賀瀬, 圭二, 大西, 丘倫, 松原, 一郎, 石川, まゆ, 貞本, 和彦, 木村, 菜里, 菅, 洋美, 久門, 良明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2020
日本脳神経超音波学会
Subjects
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.33.3

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Summary:「目的」頸動脈狭窄症に対する頸動脈内膜剥離術の手術適応は, 欧米での臨床試験の結果から, 狭窄病変による症候の有無と狭窄率で判断されてきた. そして, 同病変への頸動脈ステント留置術に際しても同じ基準で手術適応が決められることが多いが, time of flight法MRAの高信号プラークでは周術期の脳塞栓合併症リスクが高いことが指摘された. また, 手術適応のない軽度狭窄例でも脳梗塞を発症ないし再発する病変があることにより, プラーク容積を含めた狭窄病変の性状評価の重要性が指摘された. つまり, 従来からの症候の有無と狭窄率に加えて, MRI-T1高信号や潰瘍形成, 陽性リモデリング, 可動性プラーク, 新生血管等のプラーク性状や形状が危険因子として挙げられている. 近年, 頸動脈プラーク内の新生血管は, 造影超音波検査(contrast-enhanced ultrasonography: CEUS)を用いて明瞭に描出され, プラークの進展や不安定化に関係すると報告されている.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.33.3