高齢者の非外傷性肩腱板断裂における手術時期の検討

65歳以上の高齢者の非外傷性腱板断裂に対して鏡視下腱板修復術を行った症例を対象とし,肩関節症状出現から手術までの時期の術後臨床成績に及ぼす影響について検討した.症状出現から12か月未満に手術を行った早期群(以下,E群)42肩(平均年齢:71.3歳,男性30肩,女性12肩),12か月以降に手術を行った晩期群(以下,L群)15肩(平均年齢:73.9歳,男性9肩,女性6肩)に分類し術前,術後1年の臨床成績の比較を行った.患者背景として,L群の年齢が有意に高く,術前の筋力,JOA,UCLAスコアはE群がL群よりも有意に不良であった.両群共に術後の肩関節可動域,筋力,臨床スコアは有意に改善したが2群間に...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 3; pp. 660 - 664
Main Authors 柴田, 陽三, 波田, 将晃, 伊﨑, 輝昌, 畑, 直文, 松永, 慶, 柴田, 光史, 蓑川, 創, 三宅, 智, 小林, 駿介, 山本, 卓明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2024
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.73.660

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Summary:65歳以上の高齢者の非外傷性腱板断裂に対して鏡視下腱板修復術を行った症例を対象とし,肩関節症状出現から手術までの時期の術後臨床成績に及ぼす影響について検討した.症状出現から12か月未満に手術を行った早期群(以下,E群)42肩(平均年齢:71.3歳,男性30肩,女性12肩),12か月以降に手術を行った晩期群(以下,L群)15肩(平均年齢:73.9歳,男性9肩,女性6肩)に分類し術前,術後1年の臨床成績の比較を行った.患者背景として,L群の年齢が有意に高く,術前の筋力,JOA,UCLAスコアはE群がL群よりも有意に不良であった.両群共に術後の肩関節可動域,筋力,臨床スコアは有意に改善したが2群間に有意差はみられなかった.筋力改善の程度はE群が有意に良好であった.術後の再断裂率に関して2群間に有意差はみられなかった.高齢者の非外傷性腱板断裂において症状出現から手術までの時期に関係なく術後の臨床成績は良好であった.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.73.660