前・後期高齢者の腱板断裂に対する鏡視下腱板修復術の術後成績の比較
腱板断裂に対して関節鏡視下腱板修復術を行った65歳以上の高齢者で前期高齢者群(以下,前期群)55人55肩(平均年齢:69.0歳),後期高齢者群(以下,後期群)22人25肩(平均年齢:78.8歳)を対象とした.術前,術後1年の臨床成績の比較を行った.患者背景で両群間に性別,喫煙,内科的合併症(糖尿病,抗凝固薬の内服),ASA-PS分類,断裂サイズ,修復方法に有意な差はみられなかったが,術前MRIにおける腱板構成筋の脂肪変性の程度は後期群で有意に高度であった.両群ともに術前と比較して術後1年における肩関節可動域,臨床スコアは有意に改善したが,群間では術前,術後とも有意差はみられなかった.術後の再断...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 3; pp. 656 - 659 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0037-1033 1349-4333 |
DOI | 10.5035/nishiseisai.73.656 |
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Summary: | 腱板断裂に対して関節鏡視下腱板修復術を行った65歳以上の高齢者で前期高齢者群(以下,前期群)55人55肩(平均年齢:69.0歳),後期高齢者群(以下,後期群)22人25肩(平均年齢:78.8歳)を対象とした.術前,術後1年の臨床成績の比較を行った.患者背景で両群間に性別,喫煙,内科的合併症(糖尿病,抗凝固薬の内服),ASA-PS分類,断裂サイズ,修復方法に有意な差はみられなかったが,術前MRIにおける腱板構成筋の脂肪変性の程度は後期群で有意に高度であった.両群ともに術前と比較して術後1年における肩関節可動域,臨床スコアは有意に改善したが,群間では術前,術後とも有意差はみられなかった.術後の再断裂率は両群間に有意差を認めなかった.後期高齢者であっても前期高齢者と同等の良好な治療成績が得られた.関節鏡視下腱板修復術は前・後期高齢者いずれにおいても有用な術式であると考える. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.73.656 |