高齢者骨盤骨折に対する腰椎骨盤固定術においてセメント注入型椎弓根スクリューを用いた小経験

骨脆弱性を伴う高齢者の骨盤骨折に対して腰椎骨盤固定を行う際にセメント注入型椎弓根スクリューを用いた3例を経験したので報告する.【症例1】86歳,女性.受傷後2か月で顕在化した脆弱性骨盤骨折に対して腰椎骨盤固定術(L5-iliac)を施行した.術後2日目に平行棒歩行を開始した.【症例2】92歳,男性.転倒し脆弱性骨盤骨折を受傷.受傷後3日目にL5-iliac+S2 TITSを施行した.術後7日目に平行棒歩行を獲得した.【症例3】83歳,女性.交通事故による骨盤不安定型骨折.受傷後1日目にS2 TITS+逆行性恥骨スクリュー,9日目にL4-iliac固定術を施行した.術後7日目に歩行器歩行を獲得し...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 3; pp. 566 - 569
Main Authors 日野, 瑛太, 金﨑, 彰三, 川岸, 正周, 石田, 太朗, 加来, 信広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2024
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.73.566

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Summary:骨脆弱性を伴う高齢者の骨盤骨折に対して腰椎骨盤固定を行う際にセメント注入型椎弓根スクリューを用いた3例を経験したので報告する.【症例1】86歳,女性.受傷後2か月で顕在化した脆弱性骨盤骨折に対して腰椎骨盤固定術(L5-iliac)を施行した.術後2日目に平行棒歩行を開始した.【症例2】92歳,男性.転倒し脆弱性骨盤骨折を受傷.受傷後3日目にL5-iliac+S2 TITSを施行した.術後7日目に平行棒歩行を獲得した.【症例3】83歳,女性.交通事故による骨盤不安定型骨折.受傷後1日目にS2 TITS+逆行性恥骨スクリュー,9日目にL4-iliac固定術を施行した.術後7日目に歩行器歩行を獲得した.いずれの症例でも術後早期離床と疼痛の軽減傾向を認めた.高齢者骨盤骨折に対して腰椎骨盤固定を行う場合,セメント注入型椎弓根スクリューは有用な選択肢の1つであると考える.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.73.566