共焦点顕微鏡による角膜上皮創傷治癒の観察

角膜上皮の剥離方法として, スパーテルを用いた機械的方法, ヨードガスの接触による方法, ゼラチン塗布スライドを角膜上にタッピングさせる方法, n-Heptanolを用いた方法などがある. これら4種類の異なった方法で家兎角膜の上皮層を剥離し, その後の上皮細胞の再生過程および実質細胞の挙動について, 経時的にTandem Scanning型共焦点顕微鏡を用いてin vivoで生体観察すると共に, 光学および電子顕微鏡を用いた組織学的観察も行った.上記4種類の上皮剥離法のうち, 上皮細胞が最も早期に再被覆されたものはヨードガスによる剥離角膜であり, また剥離部分の実質細胞への損傷が最も少なかっ...

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Published in順天堂医学 Vol. 47; no. 3; pp. 357 - 368
Main Authors 中安, 清夫, 村上, 晶, 斎藤, 貴美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 順天堂医学会 2001
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ISSN0022-6769
2188-2134
DOI10.14789/pjmj.47.357

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Summary:角膜上皮の剥離方法として, スパーテルを用いた機械的方法, ヨードガスの接触による方法, ゼラチン塗布スライドを角膜上にタッピングさせる方法, n-Heptanolを用いた方法などがある. これら4種類の異なった方法で家兎角膜の上皮層を剥離し, その後の上皮細胞の再生過程および実質細胞の挙動について, 経時的にTandem Scanning型共焦点顕微鏡を用いてin vivoで生体観察すると共に, 光学および電子顕微鏡を用いた組織学的観察も行った.上記4種類の上皮剥離法のうち, 上皮細胞が最も早期に再被覆されたものはヨードガスによる剥離角膜であり, また剥離部分の実質細胞への損傷が最も少なかった剥離法もヨードガスを用いた方法であった. また, 今回in vivoの観察に用いたTandem Scanning型共焦点顕微鏡は, 解像度に多少の限界があるものの, 今後生体角膜の観察用顕微鏡として臨床応用されるものと考えられた.
ISSN:0022-6769
2188-2134
DOI:10.14789/pjmj.47.357