胆管浸潤が疑われた肝原発神経内分泌腫瘍の1例
肝原発神経内分泌腫瘍は稀であり,術前診断に苦慮することが多い.症例は58歳の女性.6年前よりCTにて肝S1/S4にひょうたん型の腫瘍を認めたが,増大傾向にあったため紹介された.CTにて肝S1/S4に径7cm大の境界明瞭な腫瘍を認め,右後区域肝管は軽度拡張を認めた.胆管浸潤を伴う肝原発悪性腫瘍の診断にて肝左葉・尾状葉切除,肝外胆管切除術を施行した.病理では腫瘍細胞は均一な類円形核で索状~胞巣状構造をとり,好酸性間質を有し,免疫染色ではhepatocyteは陰性,CD56とsynaptophysinが陽性,Ki67 index(MIB-1 index)は5%,細胞分裂像は3/10HPFでありWHO...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 1; pp. 151 - 158 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2021
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.82.151 |
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Summary: | 肝原発神経内分泌腫瘍は稀であり,術前診断に苦慮することが多い.症例は58歳の女性.6年前よりCTにて肝S1/S4にひょうたん型の腫瘍を認めたが,増大傾向にあったため紹介された.CTにて肝S1/S4に径7cm大の境界明瞭な腫瘍を認め,右後区域肝管は軽度拡張を認めた.胆管浸潤を伴う肝原発悪性腫瘍の診断にて肝左葉・尾状葉切除,肝外胆管切除術を施行した.病理では腫瘍細胞は均一な類円形核で索状~胞巣状構造をとり,好酸性間質を有し,免疫染色ではhepatocyteは陰性,CD56とsynaptophysinが陽性,Ki67 index(MIB-1 index)は5%,細胞分裂像は3/10HPFでありWHO分類(2010年)のNET G2に相当した.他臓器に原発病変を認めなかったことから,肝原発神経内分泌腫瘍と診断した.術後41週現在,無再発生存中である. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.82.151 |