パノラマX線画像による頸動脈の石灰化の評価

頸動脈の動脈硬化による頸部頸動脈狭窄は,脳梗塞の原因となることが多いとされ,近年重要視されている。自覚症状を認めにくいことから,発見されにくい病変であるが,症例により,パノラマX線画像で異常を指摘できることがある。今回われわれは,2011年4月から2013年3月までに当院歯科口腔外科を受診し,パノラマX線画像および頸部CTを撮影した105例について,頸動脈の石灰化について評価を行った。CT画像では,62例について頸動脈の石灰化を認め,パノラマX線画像で,20例に石灰化物を認めた。また,脳梗塞や,脳梗塞のリスクとされる既往の有無に関わらず認められるほか,年齢に比例して増加することが示された。パノ...

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Published in日本口腔内科学会雑誌 Vol. 21; no. 2; pp. 33 - 37
Main Authors 伊藤, 弘人, 神部, 芳則, 篠崎, 泰久, 森, 良之, 大田原, 宏美, 土屋, 欣之, 勝又, 明敏, 野口, 忠秀, 早坂, 純一, 飯田, 幸弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔内科学会 2015
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ISSN2186-6147
2186-6155
DOI10.6014/jjsom.21.33

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Summary:頸動脈の動脈硬化による頸部頸動脈狭窄は,脳梗塞の原因となることが多いとされ,近年重要視されている。自覚症状を認めにくいことから,発見されにくい病変であるが,症例により,パノラマX線画像で異常を指摘できることがある。今回われわれは,2011年4月から2013年3月までに当院歯科口腔外科を受診し,パノラマX線画像および頸部CTを撮影した105例について,頸動脈の石灰化について評価を行った。CT画像では,62例について頸動脈の石灰化を認め,パノラマX線画像で,20例に石灰化物を認めた。また,脳梗塞や,脳梗塞のリスクとされる既往の有無に関わらず認められるほか,年齢に比例して増加することが示された。パノラマX線画像は,歯科・口腔外科を受診する患者で一般的に撮影されており,パノラマX線画像を読影する上では,自覚症状のない頸動脈の硬化性変化がみられる可能性を考慮し読影に当たる必要がある。
ISSN:2186-6147
2186-6155
DOI:10.6014/jjsom.21.33