歯周基本治療の重要性を再考する 長い接合上皮性付着は結合組織性付着に置換する

「緒言」歯周治療を進めるにあたって歯周基本治療はすべての歯周病患者に対して原因因子, リスクファクターの除去を行う最も重要な原因除去療法であり, 決して歯周外科をするための前処置ではない. 歯周基本治療にはプラークコントロール, SRP, プラークリテンションファクターの除去, 咬合性外傷因子の除去, 暫間固定, MTM, 抜歯等があるが, 本稿ではおもにSRPの重要性について述べる. 歯周治療の流れは1970年代までは, 歯周ポケットを除去するような切除療法や歯肉歯槽粘膜形成外科療法が主流であった. しかし, 歯根露出による審美性や知覚過敏症, 根面齲蝕の発生等の問題が生じ, その解決策とし...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 54; no. 1; pp. 46 - 53
Main Author 谷口, 威夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 28.03.2012
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.54.46

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Summary:「緒言」歯周治療を進めるにあたって歯周基本治療はすべての歯周病患者に対して原因因子, リスクファクターの除去を行う最も重要な原因除去療法であり, 決して歯周外科をするための前処置ではない. 歯周基本治療にはプラークコントロール, SRP, プラークリテンションファクターの除去, 咬合性外傷因子の除去, 暫間固定, MTM, 抜歯等があるが, 本稿ではおもにSRPの重要性について述べる. 歯周治療の流れは1970年代までは, 歯周ポケットを除去するような切除療法や歯肉歯槽粘膜形成外科療法が主流であった. しかし, 歯根露出による審美性や知覚過敏症, 根面齲蝕の発生等の問題が生じ, その解決策としてENAP, Modified Widman Flap Procedure, 自家骨または人工骨の移植術などが試みられた. 1976年トロント大学のMelcher教授は, 歯周外科処置後に歯根表面に再集結する細胞の種類により付着の様式が決定されるという仮説を提唱した1).
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.54.46