シートベルトによる外傷性左横隔膜単独損傷の1例
普通自動車運転中,右折時に対向車の普通自動車との接触事故により酸素化低下を認め,受傷約1時間後に当院救急搬送された。来院時バイタルは,SpO2 97%(酸素10L)であったが意識清明で上腹部圧痛と前胸部,骨盤部にシートベルト痕を認めた。血液検査所見では,炎症反応上昇を認め,Hb 11.8g/dLと軽度の貧血を認めた。体幹部造影CT検査では,左横隔膜の穿孔所見を認め,胃と下行結腸の胸腔内への脱出および左肺の圧排を認めたが,その他明らかな骨折や臓器損傷は認めなかった。以上より,外傷性左横隔膜損傷と診断し同日緊急開腹術を施行した。左横隔膜に約10cmの裂創部を認め,同部位から胃と下行結腸が左胸腔内へ...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 40; no. 3; pp. 453 - 456 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.03.2020
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Summary: | 普通自動車運転中,右折時に対向車の普通自動車との接触事故により酸素化低下を認め,受傷約1時間後に当院救急搬送された。来院時バイタルは,SpO2 97%(酸素10L)であったが意識清明で上腹部圧痛と前胸部,骨盤部にシートベルト痕を認めた。血液検査所見では,炎症反応上昇を認め,Hb 11.8g/dLと軽度の貧血を認めた。体幹部造影CT検査では,左横隔膜の穿孔所見を認め,胃と下行結腸の胸腔内への脱出および左肺の圧排を認めたが,その他明らかな骨折や臓器損傷は認めなかった。以上より,外傷性左横隔膜損傷と診断し同日緊急開腹術を施行した。左横隔膜に約10cmの裂創部を認め,同部位から胃と下行結腸が左胸腔内へと脱出していた。明らかな臓器損傷はなく,腹腔内へ用手的に還納し,非吸収糸による横隔膜の縫合閉鎖術および左胸腔ドレーン留置を施行した。術後経過は良好で第4病日に胸腔ドレーンを抜去,第15病日に退院した。外傷による単独の横隔膜損傷はまれであり若干の文献的考察を加え報告する。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.40.453 |