上腕骨近位端骨折髄内釘治療における内反転位とネイル設置位置に関するX線学的検討

目的:上腕骨近位端骨折に対する髄内釘による骨接合術における内反転位とネイル設置位置の関係について検討する.対象・方法:2017年2月~2021年4月に骨接合術を施行した27例を対象とし,内反転位の有無を術直後および最終観察時の単純X線正面像での上腕骨頚体角の変化量で評価した.また正面像・側面像でのネイル先端から骨頭中心までの距離,軟骨下骨からネイル先端までの距離を計測し,頚体角の変化量が5°以上群と5°未満群に分けて各計測値との相関を調査した.結果:全例で骨癒合を確認した.内反転位は5°以上群が6例で5°未満群が21例であった.各計測値はいずれも2群間に有意差は認めなかったが,計測値を合計した...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 3; pp. 355 - 358
Main Authors 有村, 仁志, 平井, 奉博, 後生川, 輝, 安樂, 喜久, 立石, 慶和, 安藤, 卓, 内田, 裕己, 大野, 貴史, 上川, 将史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.71.355

Cover

More Information
Summary:目的:上腕骨近位端骨折に対する髄内釘による骨接合術における内反転位とネイル設置位置の関係について検討する.対象・方法:2017年2月~2021年4月に骨接合術を施行した27例を対象とし,内反転位の有無を術直後および最終観察時の単純X線正面像での上腕骨頚体角の変化量で評価した.また正面像・側面像でのネイル先端から骨頭中心までの距離,軟骨下骨からネイル先端までの距離を計測し,頚体角の変化量が5°以上群と5°未満群に分けて各計測値との相関を調査した.結果:全例で骨癒合を確認した.内反転位は5°以上群が6例で5°未満群が21例であった.各計測値はいずれも2群間に有意差は認めなかったが,計測値を合計したTotal Distance from Tip(以下TDT)は,5°未満群で有意に小さかった.結語:内反転位が少ない群でTDTが小さかったという今回の結果は,内反転位抑制にはヘッドアンカリング及び,骨頭正中からのエントリーと設置が重要であることを支持する.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.71.355