転倒骨折予防としての健康教室の取り組み
【はじめに、目的】 当院では「ロコモ」、「フレイル」、「サルコペニア」、「転倒・骨折」を健康寿命延伸のキーワードとし、高齢者を対象として、健康長寿教室 (以下、健康教室)を実施している。今回、当院における健康教室の取り組みと効果について報告する。 【方法】 健康教室への参加者は当院の健康長寿外来で募った。健康長寿外来は骨粗鬆症専門医の整形外科医が行う外来で、骨密度、血液・尿検査、身体機能評価をなど実施している。健康教室は医師、理学療法士、作業療法士、レントゲン技師、管理栄養士、薬剤師など多職種で実施した。実施内容は①運動フォームや運動目的を説明しながら行う集団でのレジスタンス運動・ストレッチ、...
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Published in | Japanese Society of physical therapy for prevention (supplement) Vol. 2.Suppl.No.1; p. 5 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本予防理学療法学会
31.03.2024
Japanese Society of physical therapy for prevention |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2758-7983 |
DOI | 10.57304/jsptpsuppl.2.Suppl.No.1.0_5 |
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Summary: | 【はじめに、目的】 当院では「ロコモ」、「フレイル」、「サルコペニア」、「転倒・骨折」を健康寿命延伸のキーワードとし、高齢者を対象として、健康長寿教室 (以下、健康教室)を実施している。今回、当院における健康教室の取り組みと効果について報告する。 【方法】 健康教室への参加者は当院の健康長寿外来で募った。健康長寿外来は骨粗鬆症専門医の整形外科医が行う外来で、骨密度、血液・尿検査、身体機能評価をなど実施している。健康教室は医師、理学療法士、作業療法士、レントゲン技師、管理栄養士、薬剤師など多職種で実施した。実施内容は①運動フォームや運動目的を説明しながら行う集団でのレジスタンス運動・ストレッチ、②健康長寿に関連したテーマや栄養など教育を目的とした講話、③楽しみながら運動することを目的としたリズム体操や脳トレ運動とした。自主トレーニング用の運動プログラムの指導も行った。健康教室は1回あたり1時間とし、頻度は1回/ 週、期間は12週間とした。開始前と終了後に身体機能評価を行った。身体機能評価項目は、Skeletal Muscle Mass Index(SMI)値、握力、片脚立位時間、最大歩行速度、Timed Up & Go Test(TUG)、30-Second Chair Stand Test (CS-30)、 Five-Times-Sit-to-Stand Test(FTSS)とした。2018~2022年に健康教室に参加した高齢者105名(平均の年齢:75.2歳、体格指数: 22.3kg/m2)を対象として、身体機能の変化について検討した。統計解析には対応のあるt検定を用い、有意水準は5%とした。 【結果】 身体機能評価(参加前/終了後の平均値)では、SMI値(6.0/6.1)、握力(右:20.6kg/20.8kg、左 :19.1kg/20.2kg)、片脚立位時間(右 :25.3秒/30.1秒、左:24.4秒/25.9秒)には有意な変化は認められなかった。最大歩行速度(0.9m/s/1.0m/s)、TUG(9.7秒/8.7秒)、 CS-30(15.9回/21.7回)、FTSS(10.9秒/7.6秒)には有意な改善が認められた。 【結論】 高齢者において、週1回 (1時間/回)、12週間の健康教室は、歩行速度、動的バランス、椅子立ち上がり時間などの身体機能を向上させることが確認された。 【倫理的配慮】健康教室の実施に際して、対象者へ安全面の配慮、個人情報の保護、測定データの研究応用等を書面にて説明し、署名にて同意を得た。 |
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Bibliography: | YOS-01-5 |
ISSN: | 2758-7983 |
DOI: | 10.57304/jsptpsuppl.2.Suppl.No.1.0_5 |