冠動脈バイパス手術における機械的循環補助の位置づけ

要旨連続した123症例の冠動脈バイパス術(CABG)をoff-pump bypass CABG(OPCAB)82例、OPCAB+大動脈バルーンパンピング(IABP)18例、On-pump beating CABG23例の3群に分類し機械的循環補助の役割と有効性について検討した。術前の心機能状態はOPCAB+IABP群、On-pump beating CABG群の方がOPCAB群より悪かった。手術時間、48時間以上の長期人工呼吸補助、術後再開胸止血術を必要とした症例はOn-pump beating CABG群で多かったが、その他の術後の合併症、グラフト開存率などに有意な差は認められなかった。OP...

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Published in体外循環技術 Vol. 35; no. 2; pp. 128 - 132
Main Authors 伊藤, 英史, 岡部, 学, 三宅, 陽一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2008
日本体外循環技術医学会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.35.128

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Summary:要旨連続した123症例の冠動脈バイパス術(CABG)をoff-pump bypass CABG(OPCAB)82例、OPCAB+大動脈バルーンパンピング(IABP)18例、On-pump beating CABG23例の3群に分類し機械的循環補助の役割と有効性について検討した。術前の心機能状態はOPCAB+IABP群、On-pump beating CABG群の方がOPCAB群より悪かった。手術時間、48時間以上の長期人工呼吸補助、術後再開胸止血術を必要とした症例はOn-pump beating CABG群で多かったが、その他の術後の合併症、グラフト開存率などに有意な差は認められなかった。OPCABを標準術式とした場合には従来のOn-pump beating CABG対象症例のうちIABP補助下でのOPCABによって対応できる症例が含まれると考えられた。その結果としてCABGではOPCAB、OPCAB+IABP、On-pump beating CABGの順に機械的循環補助は位置づけられた。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.35.128