誤飲魚骨の迷入による腰背部筋膜下膿瘍の1例
症例は83歳,男性.発熱と右腰背部膨隆を主訴に内科に入院,CTで腰背部の筋内膿瘍が疑われ外科に紹介された.穿刺排膿と抗菌薬による保存的治療で軽快したが,抗菌薬投与終了3週間後に再燃し,経皮ドレナージを行った.CTを見直すと膿瘍内に魚骨が疑われ,外科に転科し腰椎麻酔下で魚骨摘出術を行った.術後経過は順調であった.下部消化管内視鏡で上行結腸に多数の憩室,肝彎曲部に中央にポリープ様隆起を伴う限局した粘膜浮腫があり,誤飲した魚骨が結腸から後腹膜に穿通,さらに胸腰筋膜下まで迷入し膿瘍を形成したと考えられた.魚骨が消化管外に穿通した報告例は散見されるが,後腹膜から背筋に至った報告はまれと思われたので報告し...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 1; pp. 201 - 205 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2021
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Summary: | 症例は83歳,男性.発熱と右腰背部膨隆を主訴に内科に入院,CTで腰背部の筋内膿瘍が疑われ外科に紹介された.穿刺排膿と抗菌薬による保存的治療で軽快したが,抗菌薬投与終了3週間後に再燃し,経皮ドレナージを行った.CTを見直すと膿瘍内に魚骨が疑われ,外科に転科し腰椎麻酔下で魚骨摘出術を行った.術後経過は順調であった.下部消化管内視鏡で上行結腸に多数の憩室,肝彎曲部に中央にポリープ様隆起を伴う限局した粘膜浮腫があり,誤飲した魚骨が結腸から後腹膜に穿通,さらに胸腰筋膜下まで迷入し膿瘍を形成したと考えられた.魚骨が消化管外に穿通した報告例は散見されるが,後腹膜から背筋に至った報告はまれと思われたので報告した. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.82.201 |