虚弱高齢者のための寝たきり予防訪問プログラムを実施した事例報告

1. はじめに 在宅虚弱高齢者は寝たきり高齢者に比べて, 自立度の変動の大きい対象であることは既に示してきた1). またわれわれは, 虚弱高齢者の生活の過ごし方が活動的であることが自立度の改善維持に結びつきやすいことも報告してきた2). これらのことから, 地域の虚弱高齢者は支援を提供することにより, 十分に自立度の改善が期待できる対象であると考える. その上, 第4次老人保健事業計画3)では, 虚弱高齢者の介護予防をめざした保健事業の展開について示され, 虚弱高齢者への予防支援の重要性が広く認知されてきている. 欧米では, 地域虚弱高齢者への予防支援についての実証研究は進んでおり, 無作為化...

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Published in日本未病システム学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 80 - 82
Main Authors 金川, 克子, 河野, あゆみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本未病システム学会 2001
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ISSN1347-5541
2185-2162
DOI10.11288/mibyou1998.7.80

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Summary:1. はじめに 在宅虚弱高齢者は寝たきり高齢者に比べて, 自立度の変動の大きい対象であることは既に示してきた1). またわれわれは, 虚弱高齢者の生活の過ごし方が活動的であることが自立度の改善維持に結びつきやすいことも報告してきた2). これらのことから, 地域の虚弱高齢者は支援を提供することにより, 十分に自立度の改善が期待できる対象であると考える. その上, 第4次老人保健事業計画3)では, 虚弱高齢者の介護予防をめざした保健事業の展開について示され, 虚弱高齢者への予防支援の重要性が広く認知されてきている. 欧米では, 地域虚弱高齢者への予防支援についての実証研究は進んでおり, 無作為化比較試験も数多く報告4-7)され, 一定の効果を明らかにしてきている. しかしわが国では, まだ虚弱高齢者の寝たきり予防をめざした具体的なプログラム内容を示したものさえみられていないのが現状である. 地域高齢者を支援する方法には, 家庭に導門職が訪問して個別ケアを展開する方法と, 地域の施設などを利用して集団ケアプログラムを展開する方法とがある. 本研究では, 前者の訪問ケアにおける虚弱高齢者のための寝たきり予防プログラムをマニュアル化し, 4人の虚弱高齢者に予備的に実施したので, その評価について報告する.
ISSN:1347-5541
2185-2162
DOI:10.11288/mibyou1998.7.80