B-1. 中心静脈穿刺に伴う肺血栓塞栓症の2例
「はじめに」中心静脈穿刺およびカテーテルの留置は静脈血栓症のリスク因子とされているが, 本邦では静脈血栓塞栓症(VTE)の予防処置を行うことは十分に普及していない. 本邦の予防ガイドラインにも欧米における静脈血栓塞栓症の頻度は鎖骨下静脈で1.9%, 大腿静脈で21.5%と報告されているが, 本邦での大規模な症例報告はない. 当院では, 癌患者の術後および化学療法中の中心静脈カテーテル留置によるたびたびの深部静脈血栓症を経験し, 未分画ヘパリンによる予防の導入を始めている. 「方法」2010年1月~2012年12月の3年間に中心静脈(CV)留置に関連してVTEが検出された26症例を認めたが, 内...
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Published in | Shinzo Vol. 46; no. 7; pp. 994 - 996 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2014
日本心臓財団・日本循環器学会 Japan Heart Foundation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.46.994 |
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Summary: | 「はじめに」中心静脈穿刺およびカテーテルの留置は静脈血栓症のリスク因子とされているが, 本邦では静脈血栓塞栓症(VTE)の予防処置を行うことは十分に普及していない. 本邦の予防ガイドラインにも欧米における静脈血栓塞栓症の頻度は鎖骨下静脈で1.9%, 大腿静脈で21.5%と報告されているが, 本邦での大規模な症例報告はない. 当院では, 癌患者の術後および化学療法中の中心静脈カテーテル留置によるたびたびの深部静脈血栓症を経験し, 未分画ヘパリンによる予防の導入を始めている. 「方法」2010年1月~2012年12月の3年間に中心静脈(CV)留置に関連してVTEが検出された26症例を認めたが, 内2例に肺血栓塞栓症(PTE)の臨床診断症例を認めた. 症例を報告し, 欧米での発生頻度と予防における考え方を含め報告する. 「結果」症例1は19歳の女性. 現病歴は1年前より粘血便にて発症し, 潰瘍性大腸炎(UC)の診断を受け, ペンタサ内服にて症状の改善を認めていたが, 約3カ月内服後に症状再燃(血便, 腹痛)を認めるため, 潰瘍性大腸炎の増悪と中毒性巨大結腸症にて入院加療となった. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.994 |