Duchenne型筋ジストロフィーにおける左室心筋障害の検討

目的: Duchenne型筋ジストロフィーにおける心機能障害について, 心エコー, 血漿BNP値を用いて検討した. 対象・方法: 当院にDuchenne型筋ジストロフィーで入院した16例について心エコー, 血漿BNP(brain natriuretic peptide)値による心機能評価を行った. 結果: 収縮能の指標である左室短縮率は, 左室拡張末期径, 左室心筋重量, 左房径, 血漿BNP値との間に関連は認めなかった. 一方, 左室拡張末期径は, 左室心筋重量(p<0.01), 左房径(p<0.01), 血漿BNP値(p<0.01)との間に有意の相関関係を認めた. 心エコ...

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Published in心臓 Vol. 42; no. 11; pp. 1424 - 1428
Main Authors 西田, 泰斗, 植田, 佳中理, 三城, 真由美, 大嶋, 俊範, 蛯原, 賢司, 上山, 秀嗣, 高永, 恵, 三角, 郁夫, 今村, 重洋, 赤星, 隆一郎, 坂井, 綾子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2010
日本心臓財団
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.42.1424

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Summary:目的: Duchenne型筋ジストロフィーにおける心機能障害について, 心エコー, 血漿BNP値を用いて検討した. 対象・方法: 当院にDuchenne型筋ジストロフィーで入院した16例について心エコー, 血漿BNP(brain natriuretic peptide)値による心機能評価を行った. 結果: 収縮能の指標である左室短縮率は, 左室拡張末期径, 左室心筋重量, 左房径, 血漿BNP値との間に関連は認めなかった. 一方, 左室拡張末期径は, 左室心筋重量(p<0.01), 左房径(p<0.01), 血漿BNP値(p<0.01)との間に有意の相関関係を認めた. 心エコー後4例が死亡し, そのうち2例は左室の著明な拡大と壁運動低下を認めた. 残りの2例は, 左室壁運動は低下していたが, 左室拡大はみられなかった. まとめ: Duchenne型筋ジストロフィーにおける心不全診療は, 心拡大の指標や血漿BNP値だけではなく, 心エコーによる収縮能の評価が, 重症度ならびに予後の予測に重要であると考えられる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.42.1424