細胆管細胞癌と肝細胞癌の異時性重複癌の1例
症例は82歳の男性で,B型慢性肝炎の経過観察中に肝腫瘤を指摘された.腹部MRIにて肝S8に早期相から後期相まで持続濃染する腫瘤を認めた.肝動脈造影下CT(CTHA)では早期濃染を認め,後期相まで濃染が持続し,経動脈性門脈造影下CT(CTAP)で欠損像を認めた.非典型的な肝細胞癌の診断で手術を施行した.病理組織学的には細胆管細胞癌であった.術後4カ月の腹部造影MRIで肝S7に早期濃染し後期相ではwash outする腫瘤を認めた.CTHAで早期濃染,後期相で内部は不均一に潜時濃染,CTAPでは欠損像を認めた.造影効果が前回の腫瘍と類似しており,細胆管細胞癌の再発の診断で手術を施行した.病理組織学的...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 82; no. 1; pp. 166 - 173 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2021
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Subjects | |
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Summary: | 症例は82歳の男性で,B型慢性肝炎の経過観察中に肝腫瘤を指摘された.腹部MRIにて肝S8に早期相から後期相まで持続濃染する腫瘤を認めた.肝動脈造影下CT(CTHA)では早期濃染を認め,後期相まで濃染が持続し,経動脈性門脈造影下CT(CTAP)で欠損像を認めた.非典型的な肝細胞癌の診断で手術を施行した.病理組織学的には細胆管細胞癌であった.術後4カ月の腹部造影MRIで肝S7に早期濃染し後期相ではwash outする腫瘤を認めた.CTHAで早期濃染,後期相で内部は不均一に潜時濃染,CTAPでは欠損像を認めた.造影効果が前回の腫瘍と類似しており,細胆管細胞癌の再発の診断で手術を施行した.病理組織学的診断は高分化型の肝細胞癌であった.細胆管細胞癌と肝細胞癌は異時性に発生することがある. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.82.166 |