早期胃癌に対するHand-Assisted Laparoscopic Distal Gastrectomyの試み
リンパ節郭清が必要な早期胃癌に対する低侵襲手術として, 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 (Laparoscopy-Assisted Distal Gastrectomy ; 以下LADGとする。) が提唱されている。しかし, すべての手術操作を腹腔鏡下に行なうLADGは, 手術手技の複雑性, 困難性のため, いまだ一般に普及した手術術式とはなっていない。 LADGでも胃切除後の消化管再建のために最終的には5cm前後の小切開創が必要なことから, われわれは手術のはじめから6cmの小切開創をおいて, 左手を挿入し, hand assist (用手補助) 下に腹腔鏡手術を行なう用手補助腹腔鏡下幽門側胃切...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 52; no. 4; pp. 717 - 725 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2003
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Subjects | |
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ISSN | 0468-2513 1349-7421 |
DOI | 10.2185/jjrm.52.717 |
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Summary: | リンパ節郭清が必要な早期胃癌に対する低侵襲手術として, 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 (Laparoscopy-Assisted Distal Gastrectomy ; 以下LADGとする。) が提唱されている。しかし, すべての手術操作を腹腔鏡下に行なうLADGは, 手術手技の複雑性, 困難性のため, いまだ一般に普及した手術術式とはなっていない。 LADGでも胃切除後の消化管再建のために最終的には5cm前後の小切開創が必要なことから, われわれは手術のはじめから6cmの小切開創をおいて, 左手を挿入し, hand assist (用手補助) 下に腹腔鏡手術を行なう用手補助腹腔鏡下幽門側胃切除術 (Hand-Assisted Laparoscopic Distal Gastrectomy ; 以下HALDGとする。) を施行してきた。通常の開腹手術と同等の左手の感触, 自由な運動能を有するHALDGは, LADGに比べ手術時間は短縮され, 開腹幽門側胃切除術 (Open Distal Gastrectomy ; 以下ODGとする。) との術後成績の比較で同等の安全性と有用性を示した。 胃癌患者の術後QOLの向上を考えたとき, HALDGは今後さらに普及させるべき術式と考える。 |
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ISSN: | 0468-2513 1349-7421 |
DOI: | 10.2185/jjrm.52.717 |