85歳以上の人工膝関節全置換術の治療成績
【目的】85歳以上の高齢者に対する人工膝関節全置換術(TKA)の有用性を評価する.【対象と方法】2007年2月~2022年3月に当院の変形性膝関節症(膝OA)に対してTKAを行った症例のうち,両側同日手術例を除いた317例412膝を対象とした.手術時年齢が60~64歳(A群),75~79歳(B群),85歳以上(C群)の患者背景,合併症,手術成績を後ろ向きに調査し群間比較した.【結果】選択した年齢層に該当したのは128例160膝(女性133膝,83.1%),A群24膝,B群118膝,C群18膝であった.患者背景では年齢以外には群間差なく,術後の在院日数,可動域,日本整形外科学会膝疾患治療成績判定...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 4; pp. 900 - 903 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2024
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Summary: | 【目的】85歳以上の高齢者に対する人工膝関節全置換術(TKA)の有用性を評価する.【対象と方法】2007年2月~2022年3月に当院の変形性膝関節症(膝OA)に対してTKAを行った症例のうち,両側同日手術例を除いた317例412膝を対象とした.手術時年齢が60~64歳(A群),75~79歳(B群),85歳以上(C群)の患者背景,合併症,手術成績を後ろ向きに調査し群間比較した.【結果】選択した年齢層に該当したのは128例160膝(女性133膝,83.1%),A群24膝,B群118膝,C群18膝であった.患者背景では年齢以外には群間差なく,術後の在院日数,可動域,日本整形外科学会膝疾患治療成績判定基準にも群間差はなかった.入院中の合併症発生率は,A群45.8%,B群47.5%,C群83.3%と有意な偏りを認め,なかでもC群ではせん妄が27.8%と高率に生じたが重篤な合併症は生じなかった.【結語】85歳以上の膝OAに対するTKAは術後せん妄などの合併症には注意が必要であるが,有用な選択肢と考えられた. |
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ISSN: | 0037-1033 1349-4333 |
DOI: | 10.5035/nishiseisai.73.900 |