クマジン稜に形成された乳頭状線維弾性腫による脳塞栓症の1例

「はじめに」原発性心臓腫瘍の有病率は0.0017~0.28%と非常に稀であり, 粘液腫が最も多く, 次いで乳頭状線維弾性腫 (cardiac papillary fibroelastomas : CPF) がみられやすい. CPFは腫瘍に付着した血栓や腫瘍断片で虚血性脳卒中など塞栓症をきたすことがある. CPFの多くは弁膜に発生しやすいが. まれにクマジン稜に形成されることもある. また, クマジン稜に形成されたCPFは発作性心房細動を生じることもあり, 脳梗塞の塞栓源, すなわち心房細動による塞栓症とCPFによる塞栓症の鑑別と, 再発予防治療の選択という点から, 詳細にクマジン稜を観察する必...

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Published inNeurosonology Vol. 35; no. 1; pp. 9 - 14
Main Authors 白沢, 吏加, 竹川, 英宏, 伊波, 秀, 豊田, 茂, 福田, 宏嗣, 大日方, 謙介, 今野, 佐智代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 30.04.2022
日本脳神経超音波学会
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Summary:「はじめに」原発性心臓腫瘍の有病率は0.0017~0.28%と非常に稀であり, 粘液腫が最も多く, 次いで乳頭状線維弾性腫 (cardiac papillary fibroelastomas : CPF) がみられやすい. CPFは腫瘍に付着した血栓や腫瘍断片で虚血性脳卒中など塞栓症をきたすことがある. CPFの多くは弁膜に発生しやすいが. まれにクマジン稜に形成されることもある. また, クマジン稜に形成されたCPFは発作性心房細動を生じることもあり, 脳梗塞の塞栓源, すなわち心房細動による塞栓症とCPFによる塞栓症の鑑別と, 再発予防治療の選択という点から, 詳細にクマジン稜を観察する必要がある. われわれは, クマジン稜に形成された稀なCPFが原因で脳塞栓症を発症した症例を経験したので報告する. なお, 本症例報告に関しては患者の同意を得ている.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.35.9