Extravasationのない骨盤骨折における出血因子の解明

【背景】造影CTでExtravasation(Extra)がない骨盤骨折のTranscatheter Arterial Embolization(TAE)適応については未だ不明確である.【目的】Extraがなく循環動態が安定した骨盤骨折の活動性出血の出血予測因子を解明すること.【対象と方法】対象は2013年1月から2023年3月に当センターに入院し,搬入時収縮期血圧90 mmHg以上であり,造影CTでExtraを認めなかった骨盤骨折患者とした.対象患者を搬入後24時間以内の輸血の有無で輸血群と非輸血群に分け搬入時のデータを比較した.【結果】対象患者は22人[輸血群:7人(31.8%),非輸血群...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 73; no. 4; pp. 788 - 791
Main Authors 石橋, 卓也, 城間, 将人, 仲村, 佳彦, 喜多村, 泰輔, 宮﨑, 弘太郎, 山本, 卓明, 石倉, 宏恭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2024
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.73.788

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Summary:【背景】造影CTでExtravasation(Extra)がない骨盤骨折のTranscatheter Arterial Embolization(TAE)適応については未だ不明確である.【目的】Extraがなく循環動態が安定した骨盤骨折の活動性出血の出血予測因子を解明すること.【対象と方法】対象は2013年1月から2023年3月に当センターに入院し,搬入時収縮期血圧90 mmHg以上であり,造影CTでExtraを認めなかった骨盤骨折患者とした.対象患者を搬入後24時間以内の輸血の有無で輸血群と非輸血群に分け搬入時のデータを比較した.【結果】対象患者は22人[輸血群:7人(31.8%),非輸血群:15人(68.2%)]で,輸血群ではFibrin/Fibrinogen Degradation Products/Fibrinogen(FDP/Fbg)[0.77(0.43-1.42)vs 0.35(0.18-0.42),p=0.032]が有意に高くカットオフ値は0.516であった.非輸血群でHemoglobin(Hb)[10.6(9.5-11.6)vs 13.5(11.95-14.4),p=0.014]が有意に高くカットオフ値は10.9であった.また骨盤AO/OTA分類は輸血群でB2,B3が多く,非輸血群でB1が多かった.【考察】Hbが低くFDP/Fbgが高い骨盤骨折は循環動態が安定し造影CTでExtraを認めない症例でも活動性出血の出血予測因子になり得ると考えられた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.73.788