肝臓移植に関わる肝臓内科医の役割:肝移植実施施設および関連施設へのアンケート調査結果報告

わが国において肝臓内科医が肝移植医療にどの程度関わっているかを明らかにするため,2015年11月,肝移植研究会の施設会員を対象にアンケート調査を実施した.69人(58施設)から回答を得,うち移植実施施設は39施設(67%)で,各施設の平均年間移植実施件数は10±13例であった.移植を担当する肝臓内科医が在任していたのは移植実施施設中22施設(56%)で,内科医数は2(1~8)人であった.移植実施施設では,移植待機中の外来および入院診療,移植後6カ月以降の外来を内科外科両方が関わると答えた施設がそれぞれ71%,69%,74%と過半数であったが,移植6カ月以内の外来および入院診療への内科医の関わり...

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Published in肝臓 Vol. 58; no. 2; pp. 97 - 104
Main Authors 上田, 佳秀, 石上, 雅敏, 上野, 義之, 田中, 榮司, 上本, 伸二, 古川, 博之, 山敷, 宣代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2017
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.58.97

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Summary:わが国において肝臓内科医が肝移植医療にどの程度関わっているかを明らかにするため,2015年11月,肝移植研究会の施設会員を対象にアンケート調査を実施した.69人(58施設)から回答を得,うち移植実施施設は39施設(67%)で,各施設の平均年間移植実施件数は10±13例であった.移植を担当する肝臓内科医が在任していたのは移植実施施設中22施設(56%)で,内科医数は2(1~8)人であった.移植実施施設では,移植待機中の外来および入院診療,移植後6カ月以降の外来を内科外科両方が関わると答えた施設がそれぞれ71%,69%,74%と過半数であったが,移植6カ月以内の外来および入院診療への内科医の関わりは43%,25%と低かった.肝臓内科医は既に殆どの移植医療施設で活躍していることが明らかになった.今後,より積極的な肝臓内科医の関与によって,移植医療のさらなる発展を期待したい.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.58.97