脳梗塞のタイプによる血管拡張反応の相違に関する研究

「はじめに」血管内皮は一酸化窒素(NO)をはじめとする内皮由来血管弛緩因子を放出して抗動脈硬化作用を担っていることから, 心血管病変の予後, イベント発生を予知するうえで血管内皮機能の評価は重要である10). 近年, 脳梗塞においても心筋梗塞や末梢動脈の閉塞性疾患と同様にアテローム硬化を成因とする症例が増加している19)という背景を踏まえ, 血管拡張反応(flow-mediate dilatation:FMD)を用いて脳梗塞における血管内皮機能を検討した. 「目的」血管内皮機能検査である血管拡張反応(flow-mediated dilatation:FMD)を用いて脳梗塞の3病型(アテローム血...

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Published inNeurosonology Vol. 21; no. 3; pp. 173 - 175
Main Authors 内山, 真一郎, 飯嶋, 睦, 堤, 由紀子, 岩田, 誠, 安達, 有多子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2008
日本脳神経超音波学会
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.21.173

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Summary:「はじめに」血管内皮は一酸化窒素(NO)をはじめとする内皮由来血管弛緩因子を放出して抗動脈硬化作用を担っていることから, 心血管病変の予後, イベント発生を予知するうえで血管内皮機能の評価は重要である10). 近年, 脳梗塞においても心筋梗塞や末梢動脈の閉塞性疾患と同様にアテローム硬化を成因とする症例が増加している19)という背景を踏まえ, 血管拡張反応(flow-mediate dilatation:FMD)を用いて脳梗塞における血管内皮機能を検討した. 「目的」血管内皮機能検査である血管拡張反応(flow-mediated dilatation:FMD)を用いて脳梗塞の3病型(アテローム血栓性脳梗塞, ラクナ梗塞, 心原性脳塞栓症)における血管内皮機能を検討した. なお, この研究は東京女子医科大学倫理委員会の承認を受け, 被検者に対して説明を行い, 同意を得たうえで行った. 「対象」脳梗塞患者21例(アテローム血栓性脳梗塞5例, ラクナ梗塞14例, 心原性脳塞栓症2例, 平均年齢63歳)を対象とした. 健常成人20例(平均年齢32歳)を対照群とした.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.21.173