インターフェロン-γ遊離試験キットと抗酸菌培養検査の比較

同時期にインターフェロン-γ遊離試験キット(IGRA)と細菌学的検査を実施し分離同定し得た34例において,Mycobacterium tuberculosis陽性・IGRA陽性が14例,M. tuberculosis陽性・IGRA判定保留が5例,M. tuberculosis陽性・IGRA陰性が2例(抗癌剤治療中)であった.M. tuberculosis陰性・IGRA陽性が3例あり,M. avium, MAC, M. intracellulareが分離されていた.M. tuberculosis陰性でIGRA陰性は8例,判定保留・判定不可が各1例であった.また,今回の検討期間中,判定不可の結果が...

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Published in日本環境感染学会誌 Vol. 24; no. 2; pp. 79 - 84
Main Authors 岩沢, 篤郎, 田澤, 節子, 阿南, 晃子, 宇賀神, 和久, 中村, 久子, 菊池, 敏樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本環境感染学会 2009
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Summary:同時期にインターフェロン-γ遊離試験キット(IGRA)と細菌学的検査を実施し分離同定し得た34例において,Mycobacterium tuberculosis陽性・IGRA陽性が14例,M. tuberculosis陽性・IGRA判定保留が5例,M. tuberculosis陽性・IGRA陰性が2例(抗癌剤治療中)であった.M. tuberculosis陰性・IGRA陽性が3例あり,M. avium, MAC, M. intracellulareが分離されていた.M. tuberculosis陰性でIGRA陰性は8例,判定保留・判定不可が各1例であった.また,今回の検討期間中,判定不可の結果が多かったために,次の検討を行った.実験的に単核球数を濃縮したが,測定値Mの値は変化しなかった.また,抗原刺激後の培養時間を長くしたが,逆に低値を示した.抗原刺激を倍量にすると測定値M値の上昇が認められた. 以上,ESAT-6, CFP-10抗原,陰性コントロール,陽性コントロールの4つの吸光度の値で総合的に判断し,IGRAの結果のみで活動性結核症の判定はすべきではなく,診断の補助的なものにすべきと考えている.
ISSN:1882-532X
1883-2407
DOI:10.4058/jsei.24.79