非乳頭部十二指腸腫瘍に対し内視鏡的粘膜下層剝離術後に十二指腸穿孔をきたした2例に対し緊急手術を施行した経験

消化管疾患の内視鏡治療の適応は拡大されているが,十二指腸腫瘍の内視鏡治療は胃・大腸と比較し対象となる疾患が少ないため適応基準や安全性の確立がされておらず短期および長期成績は出ていない。とくに非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection:以下,ESD)は十二指腸の解剖学的特徴とそれによるスコープの操作性の困難さから偶発症が起きやすい。今回われわれはESD後に発症した十二指腸穿孔に対して緊急開腹手術を施行した2例を経験したので報告する。1症例目はESD後2日目に確認された下行部穿孔に対し十二指腸空腸吻合を行った。2症例目...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 38; no. 1; pp. 075 - 079
Main Authors 近藤, 優, 森, 美樹, 宮本, 康二, 石川, 衛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.01.2018
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.38.075

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Summary:消化管疾患の内視鏡治療の適応は拡大されているが,十二指腸腫瘍の内視鏡治療は胃・大腸と比較し対象となる疾患が少ないため適応基準や安全性の確立がされておらず短期および長期成績は出ていない。とくに非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection:以下,ESD)は十二指腸の解剖学的特徴とそれによるスコープの操作性の困難さから偶発症が起きやすい。今回われわれはESD後に発症した十二指腸穿孔に対して緊急開腹手術を施行した2例を経験したので報告する。1症例目はESD後2日目に確認された下行部穿孔に対し十二指腸空腸吻合を行った。2症例目はESD後1日目に穿孔が確認され穿孔部縫合閉鎖・大網被覆術を行った。穿孔修復部は胆汁や膵液が暴露するため縫合不全などの合併症が多くみられるが,本症例でも術後合併症で難渋した。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.38.075