抜釘後再骨折症例に関する検討

抜釘後再骨折は重篤な合併症であり,予防策を講じる必要がある.当科で経験した3症例を報告する.【症例1】66歳男性.大腿骨転子下骨折に対し髄内釘を用いて骨接合術を施行.術後1年半で抜釘を行い,抜釘後22日目にラグスクリュー刺入部に再骨折を来した.【症例2】42歳男性.脛骨遠位部骨折に対しプレートを用いた骨接合術を施行.術後1年で抜釘を行い,抜釘後28日目にスクリュー刺入部に再骨折を来した.【症例3】55歳女性.鎖骨骨幹部骨折に対してプレートを用いた骨接合術を施行.術後1年で抜釘を行い,抜釘後7日目にスクリュー刺入部に再骨折を来した.いずれの症例も再手術後骨癒合が認められた.再骨折の原因として変形...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 68; no. 4; pp. 687 - 690
Main Authors 今村, 悠哉, 古閑, 丈裕, 柴田, 悠人, 髙田, 紘平, 堤, 康次郎, 安樂, 喜久, 立石, 慶和, 安藤, 卓, 上川, 将史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2019
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.68.687

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Summary:抜釘後再骨折は重篤な合併症であり,予防策を講じる必要がある.当科で経験した3症例を報告する.【症例1】66歳男性.大腿骨転子下骨折に対し髄内釘を用いて骨接合術を施行.術後1年半で抜釘を行い,抜釘後22日目にラグスクリュー刺入部に再骨折を来した.【症例2】42歳男性.脛骨遠位部骨折に対しプレートを用いた骨接合術を施行.術後1年で抜釘を行い,抜釘後28日目にスクリュー刺入部に再骨折を来した.【症例3】55歳女性.鎖骨骨幹部骨折に対してプレートを用いた骨接合術を施行.術後1年で抜釘を行い,抜釘後7日目にスクリュー刺入部に再骨折を来した.いずれの症例も再手術後骨癒合が認められた.再骨折の原因として変形癒合,仮骨形成不良,骨欠損に伴う強度低下等が考えられた.単純X線やCT検査での骨癒合確認,段階的抜釘,抜釘後の安静・免荷・外固定,抜釘しない,など再骨折を念頭に置いた対応が肝要である.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.68.687