TCDによる頚動脈ステント留置術後の脳血流の評価
「はじめに」頸動脈狭窄症に対する血行再建術後の過灌流症候群は頻度は低いものの致死的な頭蓋内出血につながる4-7,10-14). 特に, 頸動脈ステント留置術(Carotid artery stenting, CAS)後の過灌流症候群および頭蓋内出血は術後24時間以内の発症が多く1,2,9,10), 早期の発症予測が要求される. CAS中のtranscranial Doppler(TCD)による中大脳動脈(middle cerebral artery, MCA)の血流速度の持続モニタリングは術中の脳血行動態の把握に有用である3). 今回, 術中TCD持続モニタリングによる血流速度測定と術直後の脳...
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Published in | Neurosonology Vol. 21; no. 1; pp. 18 - 21 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本脳神経超音波学会
2008
日本脳神経超音波学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-074X |
DOI | 10.2301/neurosonology.21.18 |
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Summary: | 「はじめに」頸動脈狭窄症に対する血行再建術後の過灌流症候群は頻度は低いものの致死的な頭蓋内出血につながる4-7,10-14). 特に, 頸動脈ステント留置術(Carotid artery stenting, CAS)後の過灌流症候群および頭蓋内出血は術後24時間以内の発症が多く1,2,9,10), 早期の発症予測が要求される. CAS中のtranscranial Doppler(TCD)による中大脳動脈(middle cerebral artery, MCA)の血流速度の持続モニタリングは術中の脳血行動態の把握に有用である3). 今回, 術中TCD持続モニタリングによる血流速度測定と術直後の脳血流量測定を行い術前後の平均血流速度比と脳血流量増加の相関を検討した. 「対象と方法」対象症例2003年4月から2007年8月に当科でCASを施行した43例中, 術中のTCD持続モニタリングと術直後Xenon-CTによる脳血流量の測定は27例で検出可能であった. 27例中, 対側内頸動脈閉塞1例とNASCET法80%以上の高度狭窄がみられる3例を除外した23例を対象とした. 当科では50%以上の症候性頸動脈狭窄と80%以上の無症状性頸動脈狭窄をCASの適応とした. 頸動脈狭窄度はNorth American Symptomatic Carotid Endarterectomy Trial(NASCET)study11)の方法を用いた. |
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ISSN: | 0917-074X |
DOI: | 10.2301/neurosonology.21.18 |