プロタミン中和後の洗浄式自己血回収装置における洗浄血の検討

【要旨】今回,人工心肺残血から得た洗浄血の使用が血液凝固にどのように関与するかを,二種類の血液凝固計を使用して,患者血のみの血液と患者血と洗浄血を混合した血液の活性化血液凝固時間を測定し,体外循環時間および低体温施行の有無で比較検討した。長時間の体外循環や低体温体外循環法の施行において,洗浄血の使用でACTが延長したのは,血小板の減少や血小板凝集機能の低下した患者血に洗浄血を使用することで,赤血球のみの洗浄血により凝固因子が希釈されたことと,更に,洗浄血のヘパリン含有量は,人工心肺残血のヘパリン含有量に比例してヘパリンの残存量が増加したことから,凝固因子の希釈とヘパリンの残存量に影響されると考...

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Published in体外循環技術 Vol. 31; no. 4; pp. 476 - 478
Main Authors 上田, 彰, 向井, 憲子, 原, 和信, 竹井, 沙緒梨, 栗原, 大典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2004
日本体外循環技術研究会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.31.476

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Summary:【要旨】今回,人工心肺残血から得た洗浄血の使用が血液凝固にどのように関与するかを,二種類の血液凝固計を使用して,患者血のみの血液と患者血と洗浄血を混合した血液の活性化血液凝固時間を測定し,体外循環時間および低体温施行の有無で比較検討した。長時間の体外循環や低体温体外循環法の施行において,洗浄血の使用でACTが延長したのは,血小板の減少や血小板凝集機能の低下した患者血に洗浄血を使用することで,赤血球のみの洗浄血により凝固因子が希釈されたことと,更に,洗浄血のヘパリン含有量は,人工心肺残血のヘパリン含有量に比例してヘパリンの残存量が増加したことから,凝固因子の希釈とヘパリンの残存量に影響されると考えられた。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.31.476