うっ血乳頭が先行した急性散在性脳脊髄炎による視神経炎の1例

うっ血乳頭が先行した急性散在性脳脊髄炎(ADEM)による視神経炎を発症した症例を経験した.7歳女児.近医で副鼻腔炎加療中に複視を自覚し,当科紹介受診となった.視力は良好で,両側視神経乳頭腫脹を認めた.髄液検査での圧亢進と細胞増多,および不全外転神経麻痺から頭蓋内圧亢進によるうっ血乳頭と診断し,浸透圧利尿剤で加療したところ改善を認めた.その後,視力低下,RAPD 陽性,両側視神経乳頭発赤が出現し,MRIではADEMに一致する所見が見られたため,両側視神経炎と診断して,ステロイドパルス療法を施行し改善を認めた.初診時の視神経乳頭腫脹は髄膜炎によるうっ血乳頭であり,再診時の視神経乳頭腫脹はADEMに...

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Published in神経眼科 Vol. 31; no. 1; pp. 39 - 44
Main Authors 敷島, 敬悟, 折津, 友隆, 松島, 理士, 伊藤, 直子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経眼科学会 25.03.2014
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ISSN0289-7024
2188-2002
DOI10.11476/shinkeiganka.31.39

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Summary:うっ血乳頭が先行した急性散在性脳脊髄炎(ADEM)による視神経炎を発症した症例を経験した.7歳女児.近医で副鼻腔炎加療中に複視を自覚し,当科紹介受診となった.視力は良好で,両側視神経乳頭腫脹を認めた.髄液検査での圧亢進と細胞増多,および不全外転神経麻痺から頭蓋内圧亢進によるうっ血乳頭と診断し,浸透圧利尿剤で加療したところ改善を認めた.その後,視力低下,RAPD 陽性,両側視神経乳頭発赤が出現し,MRIではADEMに一致する所見が見られたため,両側視神経炎と診断して,ステロイドパルス療法を施行し改善を認めた.初診時の視神経乳頭腫脹は髄膜炎によるうっ血乳頭であり,再診時の視神経乳頭腫脹はADEMによる視神経炎と考えられた.
ISSN:0289-7024
2188-2002
DOI:10.11476/shinkeiganka.31.39