子宮・膀胱全摘術後に経膣小腸脱をきたした1例
今回われわれは,子宮・膀胱全摘術後に経膣小腸脱をきたした1例を経験したので報告する。症例は84歳女性,既往として4年前に子宮浸潤を伴う膀胱癌に対し,開腹膀胱全摘,両側尿管皮膚瘻造設および子宮全摘術を施行され,3年前に小腸膣瘻に対して小腸部分切除,膣壁瘻孔部閉鎖術を施行された。今回,排便時にいきんだ際に膣からの腸管脱出と腹痛が出現したため当院を受診した。来院時,膣から腸管が脱出し嵌頓しており,還納困難であったため,緊急で小腸部分切除,膣閉鎖術を施行した。術後経過は良好で,術後1年経過した現在,健在である。子宮・膀胱全摘術後の経膣小腸脱は非常にまれな疾患であり,治療には婦人科,外科を含めた多診療科...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 38; no. 1; pp. 159 - 163 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
31.01.2018
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.38.159 |
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Summary: | 今回われわれは,子宮・膀胱全摘術後に経膣小腸脱をきたした1例を経験したので報告する。症例は84歳女性,既往として4年前に子宮浸潤を伴う膀胱癌に対し,開腹膀胱全摘,両側尿管皮膚瘻造設および子宮全摘術を施行され,3年前に小腸膣瘻に対して小腸部分切除,膣壁瘻孔部閉鎖術を施行された。今回,排便時にいきんだ際に膣からの腸管脱出と腹痛が出現したため当院を受診した。来院時,膣から腸管が脱出し嵌頓しており,還納困難であったため,緊急で小腸部分切除,膣閉鎖術を施行した。術後経過は良好で,術後1年経過した現在,健在である。子宮・膀胱全摘術後の経膣小腸脱は非常にまれな疾患であり,治療には婦人科,外科を含めた多診療科的な連携が必要と思われた。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.38.159 |