当院における歯科医師への多焦点眼内レンズによる白内障手術
目的:白内障手術時に,多焦点眼内レンズ(IOL)が挿入された歯科医の視機能をIOLの近方加入度に分けて検討した.対象と方法:両眼に多焦点IOLが挿入され,本研究に同意の得られた歯科医に,歯科診療(補綴,保存,口腔外科)と日常生活における見え方と眼鏡装用をアンケート調査し,診療記録から術後1カ月以降の視力を取得した.結果:回答が得られた20例のうち,高加入度群(2焦点・3焦点・連続焦点IOL)が15例,焦点深度拡張(EDOF IOL)群が5例であった.歯科診療時の見え方に問題ありと回答したのは,高加入度群で補綴装置研磨と根管治療の約8%のみであった.眼鏡装用は高加入度群で30~40%,EDOF群...
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Published in | 日本白内障学会誌 Vol. 36; no. 1; pp. 100 - 103 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本白内障学会
2024
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0915-4302 2188-613X |
DOI | 10.14938/cataract.36-028 |
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Summary: | 目的:白内障手術時に,多焦点眼内レンズ(IOL)が挿入された歯科医の視機能をIOLの近方加入度に分けて検討した.対象と方法:両眼に多焦点IOLが挿入され,本研究に同意の得られた歯科医に,歯科診療(補綴,保存,口腔外科)と日常生活における見え方と眼鏡装用をアンケート調査し,診療記録から術後1カ月以降の視力を取得した.結果:回答が得られた20例のうち,高加入度群(2焦点・3焦点・連続焦点IOL)が15例,焦点深度拡張(EDOF IOL)群が5例であった.歯科診療時の見え方に問題ありと回答したのは,高加入度群で補綴装置研磨と根管治療の約8%のみであった.眼鏡装用は高加入度群で30~40%,EDOF群はほぼ100%であった.日常生活での近用眼鏡は高加入度群が15.4%,EDOF群が50%使用していた.裸眼および矯正視力は両群とも良好だった.結論:高加入度およびEDOF型多焦点IOLは歯科診療で支障になる可能性は低く,高加入度型は診療および日常生活での眼鏡依存度の軽減に有用であった. |
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ISSN: | 0915-4302 2188-613X |
DOI: | 10.14938/cataract.36-028 |