植込み型ショックデバイスの残された問題~Nippon Storm Studyの知見から

「はじめに」 欧米の数々の大規模試験の結果から, 植込み型除細動器(ICD)や両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)といった植込み型心臓ショックデバイス(ICSD)の突然死に対する有用性は高く評価されている. 一方で, その適応となる基礎心疾患や突然死の頻度など, 本邦独自に検討すべき問題点も存在する. その中でもICSDの適応やICSD患者での頻回な適切作動(electrical storm: E-storm)は重要であるが, 十分に検討されているとは言い難い. 「虚血性心疾患に対するICSDの適応について」「1)本邦での虚血性心疾患患者の突然死の実態」 以前から, 本邦では虚...

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Published in心臓 Vol. 48; no. 2; pp. 243 - 249
Main Authors 野田, 崇, 栗田, 隆志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2016
日本心臓財団・日本循環器学会
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Summary:「はじめに」 欧米の数々の大規模試験の結果から, 植込み型除細動器(ICD)や両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)といった植込み型心臓ショックデバイス(ICSD)の突然死に対する有用性は高く評価されている. 一方で, その適応となる基礎心疾患や突然死の頻度など, 本邦独自に検討すべき問題点も存在する. その中でもICSDの適応やICSD患者での頻回な適切作動(electrical storm: E-storm)は重要であるが, 十分に検討されているとは言い難い. 「虚血性心疾患に対するICSDの適応について」「1)本邦での虚血性心疾患患者の突然死の実態」 以前から, 本邦では虚血性心疾患患者での突然死は少ないと考えられてきた. Tannoらは, 1997年から2001年の間に冠動脈形成術を行った3,258例のうち, MADIT II試験の組み入れ基準(心筋梗塞後4週以上経過し, 左室駆出率≦30%)を満たす本邦の90例の予後について検討を行った.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.48.243