尿細管間質性腎炎における発見契機別腎予後の検討

【背景および目的】尿細管間質性腎炎(tubulointerstitial nephritis: TIN)の発見契機は多様だが,発見契機別の腎予後は明らかでない.【方法】当院でTINと診断された14例を対象に,発見契機別(学校検尿群4例vs眼症状群7例vs発熱群3例)に臨床経過および腎予後を後方視的に検討した.【結果】診断時推定糸球体濾過量(eGFR)は中央値76.2 vs 103.1 vs 83.1 mL/分/1.73 m2と学校検尿群,発熱群で低値であった.観察期間は27.4か月(範囲5.6–86.6)で,最終観察時eGFRは86.7 vs 107.8 vs 90.9 mL/分/1.73 m...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 37; pp. 103 - 109
Main Authors 金子, 昌弘, 稲葉, 聡, 山田, 剛史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 2024
日本小児腎臓病学会
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Summary:【背景および目的】尿細管間質性腎炎(tubulointerstitial nephritis: TIN)の発見契機は多様だが,発見契機別の腎予後は明らかでない.【方法】当院でTINと診断された14例を対象に,発見契機別(学校検尿群4例vs眼症状群7例vs発熱群3例)に臨床経過および腎予後を後方視的に検討した.【結果】診断時推定糸球体濾過量(eGFR)は中央値76.2 vs 103.1 vs 83.1 mL/分/1.73 m2と学校検尿群,発熱群で低値であった.観察期間は27.4か月(範囲5.6–86.6)で,最終観察時eGFRは86.7 vs 107.8 vs 90.9 mL/分/1.73 m2と学校検尿群は眼症状群と比較して低値だった.【結論】学校検尿群は診断・治療開始まで時間を要している可能性がある.発見契機の相違は,発症から治療開始までの期間と関連し,その期間が腎予後に影響を与えていることが示唆された.
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.oa.24-012