DDSによる急性心筋梗塞治療

急性心筋梗塞は、冠動脈に生じた動脈硬化病変でのプラーク破綻を起因とし、管腔の急速な閉塞にともない心機能が破綻する急性虚血性心疾患である。国内では、早期再灌流療法の発達により急性期死亡率は低下する一方、再疎通後、心機能が低下し、慢性心不全へ移行することが大きな問題となっている。そのため、梗塞後の心不全発症を抑制する治療法の開発は、重要なアンメットメディカルニーズとなっている。本稿では、近年開発が進められている、ナノDDS製剤を用いた急性心筋梗塞治療に焦点をあて、筆者らのグループの知見を交えつつ、その臨床応用への可能性について考察する。...

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Bibliographic Details
Published inDrug Delivery System Vol. 30; no. 4; pp. 276 - 285
Main Authors 松﨑, 高志, 南野, 哲男, 荒木, 亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本DDS学会 2015
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ISSN0913-5006
1881-2732
DOI10.2745/dds.30.276

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Summary:急性心筋梗塞は、冠動脈に生じた動脈硬化病変でのプラーク破綻を起因とし、管腔の急速な閉塞にともない心機能が破綻する急性虚血性心疾患である。国内では、早期再灌流療法の発達により急性期死亡率は低下する一方、再疎通後、心機能が低下し、慢性心不全へ移行することが大きな問題となっている。そのため、梗塞後の心不全発症を抑制する治療法の開発は、重要なアンメットメディカルニーズとなっている。本稿では、近年開発が進められている、ナノDDS製剤を用いた急性心筋梗塞治療に焦点をあて、筆者らのグループの知見を交えつつ、その臨床応用への可能性について考察する。
ISSN:0913-5006
1881-2732
DOI:10.2745/dds.30.276