遠心ポンプ拍動流の臨床使用経験
1998年11月から1999年3月までに,当院で施行された待機的冠動脈バイパス術12例に,遠心ポンプを使用した半閉鎖式回路で拍動流体外循環を施行した。拍動流体外循環は大動脈遮断中に施行した。体外循環時間は99±13分,大動脈遮断時間は66±15分であった。麻酔導入時より血管拡張剤を持続投与し,末梢血管抵抗を800~1,000dyne.sec.cm-5に維持するよう調節した。遠心ポンプ装置での拍動流には,サーンズ社製デルフィレポンプを用い,パルス速度60回/分,べースは70%に設定した。その結果,体外循環開始30分後,60分後,終了後の乳酸値はそれぞれ21.2±6.2mg/dl,29.1±8.4...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 27; no. 1; pp. 37 - 39 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本体外循環技術医学会
2000
日本体外循環技術研究会 |
Subjects | |
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ISSN | 0912-2664 1884-5452 |
DOI | 10.7130/hokkaidoshakai.27.37 |
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Summary: | 1998年11月から1999年3月までに,当院で施行された待機的冠動脈バイパス術12例に,遠心ポンプを使用した半閉鎖式回路で拍動流体外循環を施行した。拍動流体外循環は大動脈遮断中に施行した。体外循環時間は99±13分,大動脈遮断時間は66±15分であった。麻酔導入時より血管拡張剤を持続投与し,末梢血管抵抗を800~1,000dyne.sec.cm-5に維持するよう調節した。遠心ポンプ装置での拍動流には,サーンズ社製デルフィレポンプを用い,パルス速度60回/分,べースは70%に設定した。その結果,体外循環開始30分後,60分後,終了後の乳酸値はそれぞれ21.2±6.2mg/dl,29.1±8.4mg/dl,33.9±11mg/dlと他施設より報告されている測定値より低い値がが得られた。また,大動脈遮断中のSVRは930±189dyne.sec.cm-5で低値に保たれ,時間尿量は7.34ml/kg/hで充分確保されていた。半閉鎖式回路での遠心ポンプ拍動流の安全性が確認できた。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/hokkaidoshakai.27.37 |