領域の異なる3つの研究テーマ
群馬大学第一内科在職中は主としてC型慢性肝炎のインターフェロン+亜鉛併用療法や, C型肝炎ウイルスと血小板減少などに関する臨床研究をしていました. 1998年4月, 保健学科へ転出後は, 保健学分野の研究を試みて, 現在3つの研究テーマに取り組んでいます. 第1はフコイダンの研究ですが, この多糖類との巡り合いは全くの偶然でした. これまで20年余にわたり, 国立小児病院(現国立成育医療研究センター)の早川先生と, ビオチン・ビオチニダーゼの共同研究を行ってきました. 早川先生はビオチン・ビオチニダーゼ測定の第1人者であり, HPLC測定法を独自に開発していました. その方法を使用して手術で切...
Saved in:
Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 62; no. 4; pp. 431 - 432 |
---|---|
Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.11.2012
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1343-2826 1881-1191 |
DOI | 10.2974/kmj.62.431 |
Cover
Summary: | 群馬大学第一内科在職中は主としてC型慢性肝炎のインターフェロン+亜鉛併用療法や, C型肝炎ウイルスと血小板減少などに関する臨床研究をしていました. 1998年4月, 保健学科へ転出後は, 保健学分野の研究を試みて, 現在3つの研究テーマに取り組んでいます. 第1はフコイダンの研究ですが, この多糖類との巡り合いは全くの偶然でした. これまで20年余にわたり, 国立小児病院(現国立成育医療研究センター)の早川先生と, ビオチン・ビオチニダーゼの共同研究を行ってきました. 早川先生はビオチン・ビオチニダーゼ測定の第1人者であり, HPLC測定法を独自に開発していました. その方法を使用して手術で切除した肝癌組織中ビオチニダーゼ酵素活性を測定した結果, 癌部ではビオチニダーゼKi値が増加, 周辺非癌部(肝硬変)ではビオチニダーゼKiが有意に低下していた. これは, 肝癌ではビオチン需要が亢進し, 周辺部ではビオチン供給が減少していることを示唆します. |
---|---|
ISSN: | 1343-2826 1881-1191 |
DOI: | 10.2974/kmj.62.431 |