遠心ポンプHAP-31の使用経験

当院では,ローラーポンプから遠心ポンプへの移行を検討していた。現在使用している回路に組み込み可能な,日機装の遠心ポンプの採用を決定してはいたが,従来機種(HAP-21)では多くの問題点を解決できなかった。今回,HAP-31が市販され,これらの問題点を解決できることが確認されたので,平成13年8月より人工心肺を用いた開心術症例38例に使用し,その操作性などをローラーポンプと比較した結果,本ポンプは従来品に比較して軽量・コンパクトで,取り回しの自由度および表示が大きく視認性に優れ,従来のポンプと遜色ない使用感であった。体外循環も安全に施行でき,プライミングボリュームも少なくできたが,流量表示に不具...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in体外循環技術 Vol. 30; no. 4; pp. 360 - 362
Main Authors 忽滑谷, 通夫, 山崎, 元成, 星野, 敏久, 樋口, 毅, 木村, 圭多, 秋田, 雅史, 小久保, 領, 久保田, 浩光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2003
日本体外循環技術研究会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.30.360

Cover

More Information
Summary:当院では,ローラーポンプから遠心ポンプへの移行を検討していた。現在使用している回路に組み込み可能な,日機装の遠心ポンプの採用を決定してはいたが,従来機種(HAP-21)では多くの問題点を解決できなかった。今回,HAP-31が市販され,これらの問題点を解決できることが確認されたので,平成13年8月より人工心肺を用いた開心術症例38例に使用し,その操作性などをローラーポンプと比較した結果,本ポンプは従来品に比較して軽量・コンパクトで,取り回しの自由度および表示が大きく視認性に優れ,従来のポンプと遜色ない使用感であった。体外循環も安全に施行でき,プライミングボリュームも少なくできたが,流量表示に不具合が発生した。この不具合に関しては,内部配線とアースのとり方に注目し,対策を行ったところ解決できた。また,遠心ポンプの血液の逆流対策として,遠心ポンプ出口側に一方弁を取り付けたところ,安全かつ簡便に遠心ポンプが使用できた。HAP-31は,流量表示の対策を行えば,小型・軽量で取り回しの自由度も大きく非常に使いやすい遠心ポンプであった。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.30.360