C型慢性肝炎に対するリバビリン併用療法の副作用予測因子の検討:貧血回避のための赤血球脆弱度の有用性
インターフェロン(IFN)とリバビリン(RBV)の併用療法を行っているC型慢性肝炎の患者13例において,副作用である貧血を未然に回避するため,RBV投与前赤血球脆弱度が貧血を予測する指標となり得るかを検討した.投与前の赤血球脆弱度と,RBV投与後4週目の赤血球中RBVリン酸化体濃度には負の相関があり(r=-0.809, p<0.01),投与前脆弱度が低いほど,治療開始後,赤血球中にRBVリン酸化体が蓄積されることが示唆された.また,投与前脆弱度と,投与後4週目までのHb変化率に正の相関があり(r=0.784 p<0.05),投与前脆弱度0.57未満の患者では,0.57以上の患者に比...
Saved in:
Published in | 肝臓 Vol. 49; no. 1; pp. 6 - 13 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
01.01.2008
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.49.6 |
Cover
Summary: | インターフェロン(IFN)とリバビリン(RBV)の併用療法を行っているC型慢性肝炎の患者13例において,副作用である貧血を未然に回避するため,RBV投与前赤血球脆弱度が貧血を予測する指標となり得るかを検討した.投与前の赤血球脆弱度と,RBV投与後4週目の赤血球中RBVリン酸化体濃度には負の相関があり(r=-0.809, p<0.01),投与前脆弱度が低いほど,治療開始後,赤血球中にRBVリン酸化体が蓄積されることが示唆された.また,投与前脆弱度と,投与後4週目までのHb変化率に正の相関があり(r=0.784 p<0.05),投与前脆弱度0.57未満の患者では,0.57以上の患者に比べて4週目までのHb低下率が有意に大きかった(p<0.05). 本研究により,治療開始前の赤血球脆弱度が貧血を予測する有用な指標となることが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.49.6 |