画像を利用した経時的な貯血槽内血液レベルの抽出システム開発の試み

【要旨】現在,人工心肺装置運転時に貯血槽レベルセンサが用いられている。しかし,それは血液面の下限値アラームとしてのみ機能するため,貯血量と血行動態の関わりを把握するためには不十分である。そこで,経時的な貯血量の変化を数値表示できる新たな貯血槽レベルモニタの開発を試みた。システム開発において,既存の人工心肺装置に変更を伴わず,かつ清潔操作を必要としないことを絶対条件とした。USBカメラおよびコンピュータを用い,USBカメラから収得される画像を二値化および差分法を用いた画像処理により,貯血槽内の血液量変化を経時的に算出表示できるようにした。臨床試用では,USBカメラを貯血槽の前面に設置することで,...

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Published in体外循環技術 Vol. 32; no. 2; pp. 177 - 180
Main Authors 佐藤, 栄治, 竹内, 昭博, 佐藤, 正憲, 稲毛, 博, 小林, 弘祐, 廣瀬, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2005
日本体外循環技術研究会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.32.177

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Summary:【要旨】現在,人工心肺装置運転時に貯血槽レベルセンサが用いられている。しかし,それは血液面の下限値アラームとしてのみ機能するため,貯血量と血行動態の関わりを把握するためには不十分である。そこで,経時的な貯血量の変化を数値表示できる新たな貯血槽レベルモニタの開発を試みた。システム開発において,既存の人工心肺装置に変更を伴わず,かつ清潔操作を必要としないことを絶対条件とした。USBカメラおよびコンピュータを用い,USBカメラから収得される画像を二値化および差分法を用いた画像処理により,貯血槽内の血液量変化を経時的に算出表示できるようにした。臨床試用では,USBカメラを貯血槽の前面に設置することで,経時的な貯血槽内での血液量の変化を算出し,算出された血液量の変化は経時的に数値データとして保存された。本システムは,術中の血液量変化を捉えることにより,血行動態の評価に応用できるであろうと考える。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.32.177