“Pharmacokinetic booster”の活用による 抗ウイルス治療薬の価値向上
Pharmacokinetic boosterは、CYP3A、P-gpの良好な基質であるために、経口投与時に血中での十分な暴露の確保が困難であったHIVプロテアーゼ阻害薬等の代謝・排出経路を強力に阻害することによって、血中暴露の劇的な改善に貢献してきた。古くは治療量よりは低投与量のリトナビルが用いられてきたが、その後、リトナビルと異なり薬効をもたず、酵素誘導能も喪失した構造類縁体のコビシスタットが純粋なboosterとして、各種薬物との配合剤として用いられるようになった。リトナビルとコビシスタットは、消化管・肝臓CYP3Aの強力な阻害を呈する一方、リトナビルは、複数の代謝酵素の誘導も引き起こす...
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Published in | Drug Delivery System Vol. 35; no. 5; pp. 394 - 400 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本DDS学会
25.11.2020
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Summary: | Pharmacokinetic boosterは、CYP3A、P-gpの良好な基質であるために、経口投与時に血中での十分な暴露の確保が困難であったHIVプロテアーゼ阻害薬等の代謝・排出経路を強力に阻害することによって、血中暴露の劇的な改善に貢献してきた。古くは治療量よりは低投与量のリトナビルが用いられてきたが、その後、リトナビルと異なり薬効をもたず、酵素誘導能も喪失した構造類縁体のコビシスタットが純粋なboosterとして、各種薬物との配合剤として用いられるようになった。リトナビルとコビシスタットは、消化管・肝臓CYP3Aの強力な阻害を呈する一方、リトナビルは、複数の代謝酵素の誘導も引き起こすため、両者の間で処方変更があった場合、併用薬の体内動態に影響するケースがあることに留意する必要がある。 |
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ISSN: | 0913-5006 1881-2732 |
DOI: | 10.2745/dds.35.394 |