後天性心疾患の無輸血症例におけるA-A MUFの検討

現在Modified Ultrafiltration(MUF)の有効性が多数報告されているが、後天性心疾患領域において無輸血症例に限定したMUFの報告はない。そこで今回、後天性心疾患の無輸血症例を対象とし、MUF施行群8例(M群)と非施行群26例(C群)の計34例を比較検討した。MUFのアクセスは、脱血ポートに大動脈ルートベントを用い返血ポートに送血管を使用するA-A modeを選択した。両群ともに体外循環離脱後大動脈ルートベントを10~15分施行した。M群は、体外循環離脱直後に大動脈ルートベントの血流を血液濃縮器へ導き、大動脈ルートベントに併用してMUFを施行した。除水量は1340±270m...

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Published in体外循環技術 Vol. 34; no. 2; pp. 95 - 98
Main Authors 山崎, 康祥, 高橋, 裕三, 吉田, 幸太郎, 小川, 浩司, 西垣, 孝行, 定, 亮志, 金子, 麻衣, 四井, 田英樹, 林, 輝行, 西岡, 宏, 三木, 梨紗子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 2007
日本体外循環技術医学会
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/hokkaidoshakai.34.95

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Summary:現在Modified Ultrafiltration(MUF)の有効性が多数報告されているが、後天性心疾患領域において無輸血症例に限定したMUFの報告はない。そこで今回、後天性心疾患の無輸血症例を対象とし、MUF施行群8例(M群)と非施行群26例(C群)の計34例を比較検討した。MUFのアクセスは、脱血ポートに大動脈ルートベントを用い返血ポートに送血管を使用するA-A modeを選択した。両群ともに体外循環離脱後大動脈ルートベントを10~15分施行した。M群は、体外循環離脱直後に大動脈ルートベントの血流を血液濃縮器へ導き、大動脈ルートベントに併用してMUFを施行した。除水量は1340±270mL止であった。2群間で術中尿量、止血時間、ICU滞在日数に有意差はなかったが、挿管時間はM群で4.1±1.1時間、C群で7.1±5.5時間と有意にM群で短縮した。後天性心疾患の無輸血症例におけるMUFは有効であった。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.34.95